町歩き ”小さな秋を探して”

 暦の上では9月7日は二十四節気の「白露(はくろ)」、朝の光にキラキラと輝く露を表しており優雅な気持ちになりますね。朝晩は虫の音や時期を待って咲く花々に秋の気配が感じられます。

「白露(しらつゆ注1)も こぼさぬ萩の うねりかな(松尾芭蕉)」と詠まれるように草花についた白露が涼しさを感じさせてくれ、ほっと和みます。コロナ禍で「新生活様式」を余儀なくされていますが、これもまた新しい試みのスタートと発想転換してみるのはいかがでしょう。雑草という草花はないと聞いた記憶がありますが、一つ一つを丁寧に観察する機会を楽しんでみませんか。

 新涼とか清涼と言った言葉が似合う季節になり、「爽やか」というのも今の時期のようです。
 過ぎていく夏との別れを惜しむかのように、水色の朝顔が遠慮がちに咲いていました。夏の盛りには色とりどりの大輪の花を咲かせていたのでしょうが、その当時は大した感慨もなく通り過ぎていた気がします。

 夕刻近くになるとぱっと光り輝く?白粉花(オシロイバナ)。夕刻を告げる花ってご存知でしたか・・・朝はいつも蕾やしんぼんだ花ばかりでした。「なぜ?」と調べてみたらこんな俳句「白粉花が咲けば筆置く夕仕度」を見つけ納得!花にも適時のあることを改めて知りました。

 庭の片隅でそっと咲く秋の七草のキキヨウ、ナデシコを見つけた時は何故か嬉しくなりました。また空き地でススキが風に揺れる様は、七草の一つでもあり風物詩ですね。今は少なくなりましたが、里中で銀色にたなびく景観は初秋の代表でした。どこかで見つかるといいなあと思いました。あちこちから樹木の葉が色づき始めました。秋は間違いなくそこまで来ていますね。
 ともすると暗くなりがちな昨今、気分転換に腰を上げ、ひとときを散策で楽しまれたら如何でしょうか。(現代俳句歳時記、野の花・町の花、植物図鑑ほか参照)

 注1:「白露」には二つの読み方があるそうです。一つは二十四節気の「白露(はくろ、しらつゆとは読まない)」、もう一つは「白露(しらつゆ、はくろ)」。これは百人一首や和歌、俳句に古から詠まれています。

 

 
 夏から初秋(はつあき)へ オシロイバナ(別名・夕化粧)

 

   秋の七草キキョウ    秋の七草ナデシコ

   涼風に揺れて    清涼を感じながら
  色づき始めたモミジ 紅白の 百日紅は秋空と競演

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