徳川園のこの頃

 今年もいつの間にか12月、昨年の今頃はまさかこのような年になるとは想像もつきませんでした。ついには流行語大賞に「三密」が選ばれるほどです。コロナウイルスの1日も早い収束を祈りましょう。
 12月7日は「大雪」、本格的な冬へどんどん近づいていますが、徳川園も小春日和が続く中、年の瀬に向け確実に進んでいます。
 この季節、龍仙湖畔に現れたソテツや松の菰巻と湖面を彩る紅葉の競演もなかなか見応えがあります。
 マガモも飛来し湖面でゆったり羽を休めていますし、鯉は悠然と湖面に波紋を描きながら人の声や足音に敏感に反応しています。このような時だからこそ、一時でも安らぎの場を見つけてみませんか。

 里山は晩秋を惜しむかのように、少しばかり遅れた紅葉や鳥のさえずりが長閑な一場面を演出しています。足元では吉祥草の可憐な花やヤブコウジの赤い実がそっと語りかけています。水琴窟の優しい音色で異郷を連想し、現実を忘れるのも良いかもしれませんね。

 大曽根の滝へは満開のサザンカが道案内、色づき始めたモミジと豪快な滝音は一服の清涼剤になっているようです。この辺りは、まだしばらくは紅葉が楽しめるスポットです。
 三河湾を模した龍仙湖は、木々が合わせ鏡になり湖面と一体化した神秘の世界がそこにあります。

 冬へ向かうために樹木を守る「おもてなし」の心遣い、ソテツや松の菰巻が見られ今の時期の風物詩となっています。
 これは暖性地のソテツを寒さから守るもので、すっぽりと菰に包まれて「防寒着姿」になりました。この菰巻には色々な流儀があるようで、4種類が西湖堤や観仙楼とで絶妙な競演をしています。
 また松の菰巻は腹巻のようにも見えますが、これは害虫駆除のためのもので江戸時代から続いている伝統の方法だそうです。昔ながらの技法は大切に受け継いでいきたいものです。

 園内では晩秋を飾る紅葉と陽光の演出や、様々な形の雲が創り出す光景に出会えます。澄み渡る青空、白い雲との語らいもちょっと乙なものかもしれません。コブクザクラは満開ですし、ボタン園では寒牡丹が頑張って咲いています。慌ただしい師走、まったり散策をしてみるのはいかがでしょうか。

明治の名古屋式菰掛け再現    4種類の菰巻
  松の菰掛けと西湖堤     合わせ鏡?!
  せせらぎと紅葉     里山の紅葉
  コブクザクラは満開   寒牡丹も彩りを添えて

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