徳川園のこのごろ

「梅が香に のつと日の出る 山路哉(松尾芭蕉)」
春の訪れを喜ぶ気持ちを詠んだ句だそうですが、柔らかな日差しが嬉しい季節の到来です。名古屋市も2月8日、梅の開花宣言が出されましたが、平年と比較すると11日遅いそうです。別名を春告草、風待草と言われますが、ゆっくりでも寒い冬を越えて必ず春を連れてきます。不思議な花の力です。

徳川園の梅の開花もゆっくりで、やっと青軸(徳川園で最初に咲く)が咲き始め、いよいよ春への助走です。冬季オリンピックのように颯爽と近づいてくるでしょうか。ワクワクを楽しみましょう。今回は、小さな春を探して園内散歩をしてみました。

黒門口では白梅がどんと構えて優しい香りでお出迎え、いつしか顔がほころびます。園内ではそっと置かれた梅の鉢植えが、春到来の演出に一役かっています。
とは言え、いま開催中の冬牡丹の華麗さ、花王の異名には敵いませんが、梅には違う″あでやかさ・荘厳さ“を感じられるような気がします。毎年、時季を違わずに咲く花々には勇気や逞しさを感じます。時には立ち止まって自然と対話してみるのもいいかもしれませんよ。

里山では藁の中で背伸び?して福寿草が顔を出しました。子どもの「こんな所に咲いてるよ」「あら?ホント、気づかなかったわ、これはね・・・」の、親子の会話に長閑な春を感じました。時には足元の芽吹きから春を読み解くのも楽しいかも知れませんよ。コロナ禍収束を願いつつ、心を開放して道草の楽しさを想いだしてみませんか。感動の出会いがあるかも知れません。

温み始めた水面では、マガモがゆっくり羽根を休めていますし、龍仙湖の鯉は足音や話し声を敏感に察知して、大きな口を開けて餌の催促をしています。運が良ければカワセミにも出会えるかも。波紋の動きも一興ですよ。

今の主役はやっぱり冬ボタン!花の持つ“気品”や“百花の王‘と呼ばれるように威風堂々と20種類、70株の花々が咲き競っています。このボタン、島根県の大根島で温度管理されたもので、可愛い藁ぼっちに守られています。展示は2月20日までですが、丁寧に手入れされた今、いつでも楽しめますよ。春一番の花の競演はまだまだ続きますので、身心のリフレッシュと保養を兼ねて是非お出かけ下さい。

青軸が咲き始めました 黒門口で・・・
入念な手入れが・・・ 気品漂わせ(真昼間)
凛として(三国曙) 福寿草は背伸びして?!
淡侘び助 ミツマタ(開き始め・・)

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