ひとりある記 3

 みなさん、お揃いで新しい年をお迎えになったことと存じます。
 「一年の計は元旦にあり」と言いますが、この言葉には続きがあるってご存知ですか?年始にあたって調べてみました。二つの説が有力と言われています。一つは「中国、馮應京(ひょうおうきょう)、月令広義」説と、もう一つは、三本の矢で有名な毛利元就が長男、隆元に書いた手紙(教訓)説です。それは、「一年の計は春(年始め)にあり、一月の計は朔(ついたち)にあり、一日の計は鶏鳴にあり」です。いずれも一番最初が大事ということでしょう。みなさまは、今年にどんな計画や方針を立てられましたか?年内に、それが成就できることを願っています。
 私はその一つに、今年も東区の素晴らしさを発信していきたいと思っています。

 年の初めにあたり、文化のみち(注1)をゆっくり、まったり歩いてみました。松飾りにも色々あることが分かり、興味津々・・観察してみることにしました。
 門松を調べてみると平安時代から松を飾る習慣はあったようで、門の両側に松を飾って、神様の目印にしたのだそうです。関東と関西では飾り方も違うようですが、名古屋では、「根付き(注1)」「根切り(注2)」の両方を見ることができますね。

 門松と言えば徳川園黒門に飾られた立派なものを思い浮かべますが、社寺を見てみると、善福院(白壁3)では門に、了義院(徳川2)では本堂に“根付き松”が飾られています。片山八幡神社(徳川2)では、鳥居の両脇に松竹梅を各1本ずつ束ねられた門松ですが、シンプルでとても新鮮に感じました。不思議なことに片方の門松だけにおみくじが結ばれていました。どんな意味があるのでしょうか。
 町並みを歩いてみると、昔ながらの門松は見られず時代の変遷を感じますね。主税町筋にある料亭「香楽」や白壁筋にある旧家では根付松(根引松)が飾られています。今回はある古老の方のご好意により、井戸神様への感謝と崇敬の思いを今に継承する飾りを拝見させていただきました。伝統を守り、受け継ぐ大切さを実感しました。
 玄関に飾られた注連縄、しめ飾りにも、一つひとつに大きな意味があることを教えて頂き、先人の知恵、礼節に感心させられました。年頭に当たり、みなさんも諸々のしきたりと、じっくり向き合ってみられては如何でしょうか。 徳川園についてはこちらからもどうぞ

     徳川園黒門      片山八幡神社
     井戸神様      しめ飾り
   香楽、根付き松    旧家の根付き松
    根付き松   百花百草、しめ飾り

注1:名古屋城から徳川園までのエリア
注2:幸せが根付く、また成長し続けるという意味が込められている
注3:厄を断ち切り根付かせない

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