徳川園のこのごろ

 「鳩立つや 銀杏落ち葉が ふりかぶり(高浜虚子)」
今、園内は紅葉が見頃を迎えましたが、園外では銀杏の落ち葉が黄色の絨毯を敷きつめ、カサカサと心地よい音を奏で、時には踊っています。また、黑門脇でも見事な色調で建物を際立たせ、通りがかりの人の足を一瞬引き留めています。
 園内に目を向ければ、今…あちらこちらで、赤・橙・黄・黄緑・・・と様々な色合いで、小春日和の中、その豪華さを競っています。そんな一つ一つを確かめながら、ゆったりまったりの散策はいかがでしょうか。
☆12月、3,4,5日(金、土、日)には、夜間開園(入園は午後7時まで)が行われます。こちらは幽玄の世界をお楽しみいただけると思います。

 園内では里山、山、湖とそれぞれに華麗な景色を見せていますが、一番のお薦めは、やっぱり龍仙湖の水面に移る“も・み・じ”でしょうか。水鏡の一コマをキャンバスに切り取ったように静かに時が流れていきます。そして青空や雲・・時折波紋を作る鯉やカモがなかなか良い味を出していますよ。
 紅葉は南面から色づき始めますので、大木の南面からぐるりと回ってみると色々な顔を見せています、そんなグラデーションの観察も楽しいのではないでしょうか。静寂の世界を垣間見る楽しさもあるかも知れませんよ。

 龍仙湖をゆっくり歩きつつ、コブク桜の可愛い花を愛でて下さい(見つけてね!)そして茶室へ・・。ここからの眺めは絶景だと思いますよ(私見)。秋のススキとカエデの紅葉、鹿威しの澄んだ音、湖面を渡る風、波紋、西湖堤の東は紅葉が始まったばかりですので、季節の移ろいが一望できるスポットです。

 運が良ければボタン園で‘寒牡丹“が優美に風に揺れ、人々の目を惹きつけています。葉は無くお花だけを付けているので、けなげな姿を見つけてくださいね。きっと感動すると思います。

 尾張二代藩主光友が、御下屋敷跡(東京都新宿)に造った龍門の瀧からせせらぎの小径を散策しながら、山のゾーンへと向かってみましょう。穏やかなせせらぎの音に癒されながら紅葉を楽しんで下さい。大曽根の瀧からはその豪快な音量から活気をもらえます。楽しみ方は様々「みんなちがって みんないい」そんな言葉が似合います。

黑門と黄葉 脇長屋を包み込んで
茶室からの眺望 水面との競演
見事なグラデーション 見頃を迎えたもみじ
寒牡丹は悠然と 山茶花も道案内・・

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