「東区文化のみちガイドボランティアの会」が名古屋市東区「文化のみち」の魅力を紹介します
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石造物

二葉館の周辺

 春爛漫・・・ 永い寒さから解き放たれ、力強い陽ざしを浴びた途端、待ちかねたようにあちこちの草木が一斉に花を付けだしました。春風のいたずらで散った花びらは、水面には花筏として、地表では鮮やかな絨毯として、目を楽しませてくれています。
 二葉館は今、福沢桃介ゆかりの「三色桃、注1」が可愛い花を付け、訪れる人々を静かに待っています。この桃は、関西電力より苗木を寄贈され数年前に植樹(5本)されたものです。毎年花数が増え続け、その生長ぶりを見るのが楽しみです。
 この木は、まだ小さいので目立ちませんが、ゆっくり庭を巡りながら見つけてください。昨年は二葉館の木から採取した種を発芽させ、苗を一本植樹することが出来、今年は60㎝ほどに生長しました。八重咲きの可愛い花はいつ見られるのでしょう?数年後には二葉館の庭を華麗に彩ることでしょう。
 もう一つ見過ごしてしまいそうなのが、土蔵前の「春日灯籠」です。現在は土蔵に寄り添うように佇んでいますが、東二葉町(現、白壁)にあった当時は「二葉御殿」といわれていた庭園に設えられ、その時代の人々が風情を楽しまれたのではないでしょうか。
 一斉に芽吹き出した今、時には二葉館の周囲にも目を向けられると思いがけない出合いがあるかも知れませんよ。
★二葉館の詳細についてはこちらからどうぞ
★三色桃についてはこちらからもご覧いただけます。

CIMG9769土蔵と燈籠 CIMG9785 CIMG9777白と混ざりT IMG_3213植樹2013,3T
  土蔵と春日灯籠     豪華絢爛?・・  木によって色味の変化  苗木(H25.3.29植樹)
CIMG9850山吹公園菊桃 CIMG9826出来町通り CIMG9873塀から顔を CIMG9834花桃、古木
  山吹谷公園の菊桃   道行く人に語りかけ   垣根からごあいさつ・・     民家の古木

注1:1本の木に赤・白・ピンクを色分けして咲く花桃(八重咲)。充分に生長するまでは花の色が偏ることもあるようです。

佐助邸あれこれ

 今日は、あの東日本大震災から3回目の3月11日。それぞれの人が、それぞれの感慨を抱きながらも強い絆で、お互いを思いやり助け合いながらの姿を辿る各種の報道には心打たれました。また一方では、貴重な体験、文化遺産を次世代に残していくための地道な努力が続けられていることに感銘しました
 今回は前回に引き続き、佐助邸の「石灯籠、注1」にスポットを当ててみたいと思います。庭内には三つの灯籠があり、付近の草木の引き立て役となったり、時に景観のワンポイントとなって、この庭を一層引き立たせています。特に、1階2階の縁側からの眺めは、独特の雰囲気を醸し出し、存在感があります。
 庭の奥には、全長10メートルほどの流れ石組みで造られた細長い池があり、(現在は枯流れ)中ほどに石橋のあとがあります。石橋の袂石上に雪見灯籠(注2)が優しく邸内を見つめていますし、西側には、火袋に「濡」「鷺」と陽刻された珍しい濡鷺灯籠があり、見学される方々に微笑みかけているようです。東側に目を転じると、しなやかなにうねった赤松の側で、春日灯籠(注3)が佇んでいます。現在は紅白梅が咲く傍で草木が、新芽を蕾を膨らませ、来たるべき日に備えています。

CIMG9238雪見 CIMG9235池と雪見
          梅と雪見灯籠      池の護岸石組み(景石を配置)
CIMG9232濡れ鷺 CIMG9229春日灯籠
       濡鷺灯籠      春日灯籠(鹿と雲・・)

注1:②石灯籠の用途は明かり取りであるが、庭園内では見付として、つまり注意を喚起するために据えることが多い。
注2:「雪見」の語源は「浮見」が変化した語。竿と中台がないため高さが低い。特徴は、主に水面を照らすために用いられていたので、笠の部分が大きい
注3:灯籠といえば春日型を指すほど灯籠の基本となるもの。火袋は六面、前後に火口があり、鹿・雲・・などがあるので見つけやすい。バランスの取れた形の良いものである

徳川園のこのごろ

 徳川園内は、水仙、椿、梅、マンサク、ウンナンオウバイ・・・と開花し、冬から春へ衣装替えが急速に進んでいます。弥生に入り、これからは一層拍車をかけていくことでしょう。今回は、これらの華麗な樹木の側にあって、注目を浴びることの少ない「石灯籠、注1」巡りをしてみたいと思います。
 先ず龍門橋を渡ると、「柚の木灯籠」があり、湖面と周囲の花や石と見事に調和しています。ここに立つと、園内へと目が向きがちなため、気づかない方が多いようですが、この灯籠は平安末期の貴重なものです。そこから里山へと歩を進めると、大きなスダジイの脇には「春日灯籠」が寄り添い、矢来垣に添って進むとここにも春日灯籠が存在、四睡庵、水琴窟の側には「東照宮型灯籠、注2」が椿に抱かれて佇んでいます。龍仙湖畔に歩を進めれば、織部灯籠(キリシタン灯籠)が湖面を静かに見つめていますし、湖畔の西側からは「奥の院灯籠、注3」が園内を見守っているかのようです。
 どれも園内の樹木や花々と見事に同化しているので、気づかずに通り過ぎてしまわれがちですが、歴史をずっと見続けてきた、由緒ある遺産がそこにあるのです。その他、有楽灯籠(以前紹介)なども、控えめながら佇んでいます。そんな庭園巡りも乙なものではないでしょうか。

CIMG9191柚ノ木、寒椿 CIMG9210キリシタン
          柚の木灯籠           キリシタン灯籠
CIMG9203矢来垣と灯籠 CIMG9199四睡庵灯籠
           春日灯籠            東照宮型灯籠
CIMG8948スダジイと灯籠 CIMG8915奥の院、子福桜
     スダジイに寄り添って     自分の干支を見つけてね

注1:園内には平安時代から江戸時代のものまでの石灯籠があります。
注2:これは性高院石灯籠の系統に属するもので、なごや城築城の残石といわれています。
注3:この灯籠の中台格狭間には十二支が陽刻されています。今、横でコブクザクラ(子福桜)がきれいに咲いていますが、十二支との繋がりを考慮しての作庭でしょうか?

愛知県第一師範学校の煉瓦塀

 当地の学校教育は東区から始まったといわれているが、その背景には教育の必要性への強い思い、学校用地に利用できる広い土地を持った武家屋敷があり、それらが重なって次々と教育の場が誕生したものと思われます。学制による新しい教育が期待される小学校が設置されると、従来の寺子屋の師匠や僧侶に変わって新しい教育が推進できる教員が必要になった。
 明治4年(1871)に文部省が(現、文部科学省)が設置され、翌年「学制」が頒布された。明治6年(1873)「愛知県養成学校」が開校され計画的な教員養成が始まった。明治7年にはここで学んだ教員が教壇に立ち、新しい規則に沿った教育を実施するようになっていく。その後、明治9年(1873)に愛知県師範学校と改称・・・その後幾多の改称を経て明治32年(1899)に東芳野に新校舎を造り移転「愛知県第一師範学校」と改称した。現在の愛知教育大学の前身である。この東芳野町(現、東区芳野二丁目)の跡地には、昭和26年に「名古屋市立工芸高校」が移転し現在に至っている。当時の面影を残すものとしては、道路に沿って校地の境界に煉瓦組基礎、運動場西側には沿革碑、樹木の数本が残るだけとなった。(写真に見る明治の名古屋、愛知県写真帖、名古屋の教育、東区の歴史、ひがし百年参照)

CIMG4407師範明治切 武平町から東芳野へ新築移転。写真は明治30年代のもの、当時のモダン校舎と師範生の風俗が見られる
CIMG4425市工芸門T CIMG3472碑T
  市工芸の正門、イチョウ並木が校舎へと続く              沿革碑
CIMG3474煉瓦塀T CIMG3478煉瓦塀UP切
 塀の基礎、煉瓦は第一師範学校当時のもの        貴重な遺産・・煉瓦塀

徳川園のこのごろ(東区の花 ボタン)

 急激な気候の変化に草木も戸惑い気味で、所によっては梅と桜が同時に咲くような珍現象が起こり、マスコミで報じられたほどです。ここ龍仙湖畔の枝垂れ桜(ヤエベニシダレサクラ)も、海蝕石、佐渡石、奥の院灯籠(注1)と見事に調和していましたが、春の嵐には勝てず、龍仙湖では花筏に、路面では一面のピンクの絨毯と化しています。この鮮やかな散り際を潔しとして、古から愛でられてきたのでしょう・・・。
 ここ徳川園では「東区の花」でもあるボタンが、早くも咲き始め、シャガの群生や山吹、利久梅、ゴモジュ、シャクナゲ・・と豪華絢爛な花々の競演が始まりつつあります。まもなく風も薫る季節へと導いてくれるはずです。ご来園の折は、大名庭園(注2)の豪壮さと共に、池泉回遊式(注3)の日本庭園も是非お楽しみください。
 当会は毎週金曜日の13時からから15時30分まで定時ガイドを行っています。
 徳川園のボタンまつりは4月20日(土)から始まります。詳細はこちらからどうぞ

CIMG4021枝垂れ灯籠・佐渡石切 CIMG4034利久梅
     奥の院灯籠と満開の枝垂れ桜       リキュウバイ(四睡庵)
CIMG4047シロヤマブキ切 CIMG4026ゴモジュ
      シロヤマブキの花弁は4枚       ゴモジュ(瑞龍亭内露地)
CIMG4025ボタン CIMG4039ボタン
      ボタン(間もなく開花?!)      ボタン(暖かな陽ざしに誘われて)

注1:徳川園にある一番大きな灯籠で、中台格狭間に十二支が陽刻されている
注2:江戸時代の庭園様式の一つ。尾張2代藩主光友は庭園の大名といわれた
注3:歩きながら、海を見立てた池を観賞する庭(水、石、植栽、景物を組み合わせている)

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開館日とガイド実施時間

◆旧豊田佐助邸
月曜日休館(祭日が月曜日なら翌日)
開館時間: 10:00~15:30
ガイド常駐日:火、木、土
◆文化のみち二葉館
月曜日休館(祭日が月曜日なら翌日)
開館時間: 10:00~17:00
定時ガイド: 火、木、土
10:45、13:20の2回
30~40分
◆徳川園
月曜日休園
開園時間: 9:30~17:30
定時ガイド: 金曜日
13:00~15:30

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