「東区文化のみちガイドボランティアの会」が名古屋市東区「文化のみち」の魅力を紹介します
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徳川園のこのごろ

 7月7日は七夕です。「笹の節句」「星祭り」との別名もあり、江戸時代に五節供(注1)の一つに定められた季節の節目のことです。七夕の星物語は織姫・彦星で有名ですが、ルーツを辿ると中国で二人の逢瀬を祝い「乞巧奠(きっこうでん)」という行事が催されたのが始まりのようです。遣唐使によって日本に伝わり宮中行事に取り入れられ、江戸時代に民間行事として広がったものだそうです。この五節供の全てが奇数日(3月3日、5月5日・・)の邪気を祓うために植物が深く関わっていることに気づきました。7月7日(旧暦)の夕方で、七夕!ちょっと興味に誘われて園内を散策してみました。
「合歓木の 葉ごしもいとへ 星のかげ 松尾芭蕉」

 今、園内には来園者が書かれた七夕飾りが、風に吹かれてサラサラとゆれています。昔・むかし、子供の頃、短冊に願いを込めて書いたこと・・夏の縁台が目に浮かびます。

 龍門橋の脇では、平安時代の柚ノ木灯籠(写し)とスイレンがお出迎え、その先ではモッコクが可愛い白い花を咲かせています。虎仙橋を渡る風と緑陰が梅雨の鬱陶しさを吹き飛ばしてくれます。笹ユリも大きく蕾を膨らませ、梅雨明けを待っているようですし、菖蒲田の脇では、蓮の花が咲いていますよ。見つけて下さいね。

 龍仙湖では水カンナや半夏生、ヤブカンゾウが目を楽しませてくれます。今年孵ったマガモの雛(3羽)も大きく成長し親ガモと見間違えそうですが、さすが母鳥、時々、子に優しく寄り添っていました。鯉の餌をちゃっかり横取りしたり、お茶目に鯉の背中に乗りサーフィン!・・愛嬌を振りまく姿に、周辺は大きな笑い声が広がっていました。
 里山のゾーンでは、ハクウンボク、マユミなどが青い実を付け、花とは違う風情を醸し出していますし、苔と石のコラボそしてせせらぎは、暫くの間、喧騒の世界を忘れさせてくれます。
 いつもは脇役の石垣を覆うヒトツバや蔓性植物なども園内演出に一役買っています。時にはマイナスイオンを感じながら歩を進めるのも良いかも知れませんよ。楽しみ方は、「みんな違ってみんないい」ですね。
 徳川園では15、16日(土・日)には宵祭りが開催されます。詳しくはこちらからどうぞ。

  柚ノ木灯籠とスイレン   風にたなびく七夕飾り
    水カンナ     ハンゲショウ
  鯉とマガモの親子   静かな時を刻んで
    ハクウンボク    陽に光るマユミ

 注1:七草、雛まつり、こどもの日、七夕、菊祭りをいう

 

鈴木政吉と安斎院

 当会では、来館された方々に寄り添えるガイドを心掛けていますが、その他に「ガイボラ文会」と称して、各人が地道に調べ探求した結果を発表しながら、お互いに学び合う場を定期的に設けています。
 東区が生んだ偉人の一人に「人生をヴァイオリンにかけた創造者」である鈴木政吉がいます。今回は鈴木政吉がヴァイオリンの製作の過程で出会い、糸を紡いでいく中で知った、当会と関係あるお寺と場所にスポットを当ててみたいと思います。

 6月文会は『「ヴァイオリンの音色に魅せられて」受け継がれた鈴木政吉の志』のお話で、幾つもの驚きと感動に圧倒されました。特に興味を覚えたのは、鎮一がドイツ留学の折りに、徳川義親氏との出会いがあったからという場面です。そして大好きなアインシュタインと政吉、鎮一との間に親交があり、更に鎮一が留学中、アインシュタインと一緒に演奏したことは驚愕でした。 

 「えっ?!あの徳川園(旧尾張徳川大曽根邸)を名古屋市に寄贈された義親様との繋がりにまたまたびっくりでした。そして東寺町に「曹洞宗 安斎院」がありますが、その総門を明治41年に政吉が寄付(注1)されていることも然りです。偉大だったと誰しもが認める方がぐっと身近に迫ってきました。この思いがけない糸を手繰ってみたくなり、安斎院から徳川園への散策に出かけてみました。

 安斎院も、ゆとりを持って心静かに向き合ってみると、境内(門外から観賞)も静寂の中で静かに時は流れており、真っ青な空にゆったり流れる白い雲、掃き清められた境内ではヴァイオリンの音色が流れているかのように感じたのは私だけでしょうか。

 総門は重厚さで存在感もあり、そこに施されている鳳凰の彫刻は今にも羽ばたいていきそうです。塀には、ちょこんと二人の僧が優しく見つめています。これは中国唐代中期の高僧「寒山、拾得(かんざん、じっとく)」だそうです。様々な説もあるようですが、これに豊干(ぶかん)を加えた四睡図(注2)は禅の境地を示すもので、お釈迦様と文殊菩薩・普賢菩薩とも言われているそうです。森鴎外の著した「寒山拾得」を読まれてみるのも面白いかも知れません。この四睡図に関連づけて徳川園の里山にも「四睡庵」があり、穏やかな空間を演出しています。そして、この四睡図の図柄が日光東照宮にも彫刻されているとのこと・・ご存知でしたか?
 次から次へと、夢の広がっていくこんなルートの散策は如何でしょうか。

     安斎院門      鳳凰彫刻
    寒山拾得     塀と緑陰
   水琴窟と四睡庵     文会の様子
  松山公園の花     アメリカデイゴ

注1:木札(棟札)が現存している 
注2:画題の一つで、中国唐代の三人の僧と一匹の虎が寄り添って眠っているところを表している  

徳川園のこのごろ

「目には青葉 山ほととぎす 初がつお(山口素堂)」と詠われるように、園内は今、「青モミジ(注1)」、スダジイ等の青葉、若葉で溢れています。つい先日まで、日向を求めて集ったのが嘘のように、強い陽射しを避けて木陰を求めるこの頃です。

 華やかさはないのですが、テイカカズラやマユミ・センダン・スダジイが可愛い花を付け、初春の鮮やかな彩りとは趣を変えた、優しい香りが道案内をしてくれています。

 大曽根の瀧の水音や川のせせらぎが、心を和ます空間を作り出し、マイナスイオンも製造しているのでしょう。この辺りを散策する人が目立って増加して見えるのは気のせいでしょうか・・。肌寒さから解放され、気も心も解きほぐされて会話も弾んでいるようです。

 龍仙湖では、餌を目当てに人声や足音に敏感に反応して集まる鯉や鳥の軍団に圧倒されますが、一方ではこの集団に餌を分け合ったり、買いに走る人がいたり、賑やかな笑い声に誘われて、この周辺にはいつの間にか大きな輪が出来ています。折から吹くそよ風、鯉の餌をめがけて集まるカモや鳩、小鳥が思いもかけない波紋を作り出しています。そんな景色を楽しんでみるのもいいかも知れませんよ。カメラにスケッチとこの刹那を記録されるのも楽しい記録、記憶になると思います。

 新緑の枝を優雅にゆらすロッカクヤナギ・西湖堤も一役買って瑞龍亭からの眺めは圧巻です。清々しいこの環境、時には立ち止まって五感で楽しみ、ゆったりと静かに身を委ねてみてはいかがでしょう。新たな発見があるかも?!し・れ・ま・せ・ん。

   せせらぎに誘われ    豪快な水音が・・
   幽玄の世界へと・・    青モミジと語らい
  自然の描き出す絵画?!   穏やかな陽射しに・・
  可憐なテイカカズラ   さざれ石と花の競演

注1:京都の観光地で「モミジの若葉」をこう呼び始めた事から・・とか。

 

 

東区・街並み 今とむかし展示 報告

 つい先日の大型連休中に展示の場は設けられましたが、老若男女、多くの方々に立ち寄っていただき、その場でも「今とむかし」をめぐる人間模様が写し出されていました。

 ナゴヤドームでは野球の試合があり、ある有名なグループのコンサートが開催されていたようで、地下鉄駅から続く通路には人が溢れ、思いもよらない光景が写し出されていました。休日の楽しみ方は、各人様々でまさに“みんな ちがって みんないい”ですね。

 東文化小劇場で開催されている公演「戦後を語り継ぐ第4弾「約束」」の観劇後に立ち寄って行かれる方は、興味深げに丹念に作品を読まれ、当時を偲んでおられるようでした。また親子連れの方は、昔の様子を優しくそして懐かしそうにお話され、お子様は「え!路面電車が・・・」「ここはどこ?」と興味津々の様子でした。展示の場は温かな空気が漂い、歴史を伝える恰好の場となっていました。このようにして、次の世代に伝承されていくんだなと実感しました。

 当時からずっとこの近くにお住まいという方から、昔の様子や変遷を詳しく伺うことができました。その急激な変貌の様子を伺うにつけ、或いは小学校の変遷を尋ねられたり、建物の写真を見て、この場所は何処ですか?との質問を受ける度に、会話を楽しみながらも、大きな宿題をいただくこともありました。またまた貴重な学びの場を体験することができました。

 この展示を見ている内に大きな気づきもありました。展示物を作成した後にも幾つかの変化があること知りました。伝承と共に、まだまだ見逃せない“今“があること、永い歴史の中では小さな出来事も全てに意味があることを知りました。理由は地震対策であったり、高齢化であったり、建物の耐久性の問題であったりと千差万別ですが、「相田みつお」の言葉にもありますが「今を大事に」していきたいと痛感した展示会でした。皆様からいただいたアンケートを活かし、今後の活動に繋げて行きたいと思います。貴重なご意見ご感想ありがとうございました。

  展示作品の数々・・   時空間を移動?! 
   会話も弾んで    作品に見入って
     道案内?!     天に向かって

銘板を訪ねて まち歩き

 東区役所にも銘板が取り付けられているのをご存知でしょうか?場所柄あって当然と言えばそれまでですが、今まで全く気づかずに幾度となく通り過ぎているからです。    
 東区の歴史・名跡の中心でもあるこの地、周辺をゆっくりと散策しながらその足跡を辿ってみました。

 初代庁舎は東寺町にある西蓮寺(東桜2)の境内を間借りし、明治42年、布池町に移転、大正15年には同じ場所に最初のRC造りのモダンな庁舎へと変え、昭和45年に現在地(筒井1)に新築移転しています。商業の発展、戦後復興など目まぐるしい時代の変遷に身を委ねてきました。その時代背景がうかがえる興味深いものがあり、点でしか見えなかったものが、線で繋がる瞬間に何か感動を覚えました。

 現在地は江戸時代、尾張徳川家の菩提寺である建中寺の境内で約5万坪の広大な敷地、周りは石垣と堀で囲まれていたそうです。西側の道路、道路沿いの名古屋市立あずま中学校の石垣は、江戸時代からずっと静かに見つめてきているようです。以前カワヅサクラでご紹介した、東橦木公園には愛知県明倫中学校跡の碑もありますし、東海学園も旧制東海中学校に端を発しているというように、「名古屋市の学校教育は東区から始まった」とも言われているのも無理からぬものがあるように思われました。

 少し足を延ばすと、徳源寺の桐が今や盛りと満開、夕日とのコラボレーションは幽玄の世界でした。また折からの春雨で、水に浮かぶ桐の花は見事な絵画を描いているようでした。こんな偶然との出会いもまた楽しいものです。花々が咲き乱れる中、自然の息づかいを感じてみませんか。

    歴史を辿って・・   400年の時を見つめて
   境内を彩る花々   気品を漂わせて
    春を演出・・    垣根越しに

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開館日とガイド実施時間

◆旧豊田佐助邸
月曜日休館(祭日が月曜日なら翌日)
開館時間: 10:00~15:30
ガイド常駐日:火、木、土
◆文化のみち二葉館
月曜日休館(祭日が月曜日なら翌日)
開館時間: 10:00~17:00
定時ガイド: 火、木、土
10:45、13:20の2回
30~40分
◆徳川園
月曜日休園
開園時間: 9:30~17:30
定時ガイド: 金曜日
13:00~15:30

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