23日は、二十四節気の大暑でした。既に連日の猛暑に、「道のべに 清水流るる 柳かげ しばしとてこそ 立ち止まりつれ(西行法師)」と詠われるように、清らかな水音や緑陰に思わずひと休み…です。

 去る7月18日、高岳福祉会館において、「陶磁器のまち東区〜訪ねて学ぼう!」が開催され、大勢の方々の参加をいただき盛況の中での講座となりました。講師のアイディアは満載で、名古屋の陶磁器、輸出などの歴史を丁寧に説明された上、極め付きはバーチャルリアリティでの散策を楽しみました。
 涼風の流れる頃に、実際の体験をされてみてはいかがでしょうか。
依頼ガイドも行なっております。お申し込みは「ガイド」からお進みください。

 文化のみちの「町並み保存地区」は、江戸時代は中級武士の屋敷で、今も道の名前に残っていたり、貴重な建造物も残る歴史の宝庫です。明治から昭和にかけ、陶磁器の絵付けが盛んに行われ、その輸出を手掛けられた業者が活躍した、陶磁器産業の栄えた地でもありました。当時を偲ぶ絵付け長屋も残っており、貿易商として成功された、春田鉄次郎、井元為三郎邸もその歴史を語り続けています。少し紐解いてみましょう。

 主税町公園に設置された銘板、ここは森村組(現、ノリタケ)の絵付け工場跡地で、名古屋の輸出陶磁器産業へと繋がった場所です。当時、東区には事業所も650軒、1万4千人の従業員が居たと銘板に記載されています。
 主税町筋にある旧春田鉄次郎邸は、貿易商らしくヨーロッパを取り入れながら、日本の和との調和も考慮している住宅で、当時の活躍を垣間見ることができる貴重な建造物です。
 隣の旧豊田佐助邸は、和洋設置型の邸宅で、洋館のタイルや玄関タイルなどに独特の趣を感じることが出来ます。洋館は陸屋根、室内のシャンデリアなどに様々な意匠が凝らされており、静かに語りかけてきます。

 橦木筋にある撞木館は、貿易商 井元為三郎邸です。陶磁器輸出業界の先駆者として業界をリードされただけあって、スペイン瓦の屋根、室内を飾るステンドグラスの一つ一つに趣が感じられます。今、橦木館では「名古屋と瀬戸を結ぶ上絵付け二人展」を開催中です。7月22日に“職人と語るトークショー”を拝聴し、実際のご苦労や楽しさ、そして技術の継承の必要性を痛感しました。今にまで残る作品の素晴らしさに感銘し、良き伝統がこれからも引き継がれていくことを願いたいと思います。
 文化のみちを歩いてみませんか。

  オープン講座の様子     今も残る長屋
   旧春田鉄次郎邸     洋館テラス
   旧豊田佐助邸    洋館シャンデリア
   文化のみち橦木館   展示作品とトークショー