初夏の風物詩となっている山車揃えが、徳川美術館前広場で勇壮に繰り広げられました。毎年「6月の第一土・日」に開催される、歴史や伝統文化を守り、江戸時代から続く天王信仰の祭礼です。
 筒井町天王祭(2輛)、古出来天王祭(3輛)として東区に根付いたお祭りだそうで、親子代々、引き継がれている由緒あるものだと伺いました。

 今年は建中寺総門前から曳行される「神皇車(じんこうしゃ)」と一緒に歩いてみました。
 この山車は文政7年(1824)に三之丸天王祭の「見舞車」として作られたもので、明治20年に当時の筒井町が購入した山車です。屋根、高欄部が朱色、水引幕には十二支の豪華な刺繍が施されています。ご一緒に文化・歴史探索に出掛けてみましょう。

 山車は昔の面影の残る商店街や細い路地を、笛や太鼓の音に景気づけられながら長閑な町並みをゆっくりと進みます。
 綱頭、宰領の指揮の下、楫方、人形方、囃子方を始め、町内の老若男女が参加・協力して山車は進みます。車1台がやっと通れるほどの道路を、山車が通ると玄関前に走り出てくる人、ベランダから顔を連ねて眺める人・人・。山車の上部ではからくり人形が妙技を披露、すると「おおーっ!」と大歓声があがっていました。これは神功皇后の故事を演じるもので、巫女が竜神に変身する様子は圧巻です。無病息災と家内安全を祈願するのだそうです。
 山車曳行時の“曲場”は楫方(かじかた)の見せ場です。「ずり」「たちきり」「どんでん」「半八重」と、巧みな技で方向転換を披露すると大きな拍手と歓声が上がります。時には「がんばれ!がんばれ〜〜」と応援団?も加わり盛り上がりは最高潮に達します。

 宵の山車は百数十個の提灯にろうそくが灯され、見る人を幽玄の世界へと誘いてくれます。湯取車との出会い2輛での曳行は、見事な調和のもと幻想の世界へと導いてくれます。大勢の人の波に流されながらも、心地よい余韻がいつか体感したような、懐かしい気持ちにさせてくれます。

 2日(日)には徳川園の山車揃えが行われました。これは大名文化と庶民文化の融合となる新たな魅力を全国に発進したことが始まりだそうで、5輛の山車揃えは圧巻で、各山車の人形からくりの舞いに歓声が沸きあがり、楫方の熱気溢れる力業には熱気が漲ります。見物客からの応援に後押しされて、2周する山車もあって、やんや・・やんやの大喝采が会場に響き渡りました。
 それぞれの心に、歴史の1ページが刻み込まれたことでしょう。
(参考資料:ひがし見聞録、東区山車まつり・名古屋市HP,当会資料など)

 黒門前に揃った5輛の山車     見せ場、方向転換
    からくり奉納     鬼面に変身!
 二輛並行(建中寺総門前)    巧みに交差して・・・
  力を合わせて町内曳行   建中寺公園は人の波