「鏡にも 曇らぬ影や 冬牡丹(乙由)」
2月3日は“春の始まり・1年の始まり”とされる「立春」を迎えます。寒暖差の激しさに草木も戸惑い気味ですが、春はそっと近づいています。
冬の徳川園風物詩でもある「冬牡丹」が見頃を迎え、来園者の目を楽しませてくれています。可愛い“藁ぼっち”を被り愛らしい花々の観賞は様々ですが、近付いてみたり、離れてみたりを繰り返しながらの去りがたい様子が見られます。 また牡丹談義が始まると、いつの間にか和やかな輪が広がっています。写真撮影でもベストポジションを探して「あら!またお会いしましたね」「花王は素敵ですよ」「黄色は初めて見たけど大好きになりましたわ」「藁ぼっちは、人の顔に似ていて可愛いですね、花二輪はお目目かしら?」など思わぬ光景に出会いました。ガイド冥利に尽きますね。皆さんはどんな連想をされましたか。そんな楽しみ方も良いのではないでしょうか。園では花の入れ替えや手入れを十分にされて見えますので、いつでも素敵な花々に出会えますよ。“藁ぼっち”は植物を雪や霜から守るなど、冬の花を守るための素晴らしい日本の伝統文化です。
園内には約20種70鉢の牡丹が、大きな赤、白、黄色、ピンクなどで咲き競って圧巻です。「花の王、百花の王」、花言葉の通り「高貴、富貴」な気品溢れる姿で皆さんをお迎えしてくれています。原産地は中国で、渡来の由来は諸説ありますが、⓵聖武天皇時代②7〜8世紀に薬用としてなどと言われています。枕草子や蜻蛉日記などにも登場するので、平安時代には栽培されていたのではないでしょうか。今年は新種も見受けられますので色々探してみてくださいね。(2月16日(日)まで)
園内では椿も咲き始めましたし、春を告げる「雪中四友(注1)」蝋梅、山茶花も綺麗な花を咲かせています。梅、水仙の蕾もかなり膨らんできました。人待ち顔の蝋梅も見つけてあげてくださいね(園内には数箇所咲いています)。梅は園内で最初に咲くといわれる、茶室入り口の青軸の蕾がかなり膨らんできました。これからが楽しみですね。山茶花では小鳥が食餌をしています。美味しいのでしょうね。
徳川園で今年から始まった室礼の展示が、2月1、2 (土、日)からガーデンホールで開催されています。室礼とはお正月、ひな祭り、端午の節供、重陽の節供など古来より伝えられてきた、一年の節目に空間や衣食を整えることを言います。「日本の伝統、おもてなしの心」の継承も大切な歴史なのですね。新しい日本文化と出会えるかもしれませんね。因みに2月の節分の室礼は、今まで同様茶室(瑞龍亭)に設えられています。文化と語り合ってみるのはいかがでしょうか。
注1:蝋梅(ろうばい)、山茶花(さざんか)、水仙、梅








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