徳川園の花
ひとりある記8「春を探して・・」
「啓蟄の すぐ失える 行方かな(中村汀女)」
3月5日は啓蟄ですが、「啓」はひらく、「蟄」は冬籠りのために土の下に隠れるという意味だそうです。コロナ禍で「巣ごもり」を続ける現状と似ていませんか?穏やかな日差しに虫も目覚めるのではないでしょうか。足元や樹木の新芽に、季節の先駆けを教えてもらった気がします。
例年に比べ梅の開花宣言も11日ほど遅かったと報道されていますが、大地が温まり日毎に蕾の膨らみも増して来ているようです。
今回は建中寺周辺(筒井1)から徳川園(徳川町)までの花々との出会いを楽しんでみましょう。
徳川園のこのごろ
「鳩立つや 銀杏落ち葉が ふりかぶり(高浜虚子)」
今、園内は紅葉が見頃を迎えましたが、園外では銀杏の落ち葉が黄色の絨毯を敷きつめ、カサカサと心地よい音を奏で、時には踊っています。また、黑門脇でも見事な色調で建物を際立たせ、通りがかりの人の足を一瞬引き留めています。
園内に目を向ければ、今…あちらこちらで、赤・橙・黄・黄緑・・・と様々な色合いで、小春日和の中、その豪華さを競っています。そんな一つ一つを確かめながら、ゆったりまったりの散策はいかがでしょうか。
☆12月、3,4,5日(金、土、日)には、夜間開園(入園は午後7時まで)が行われます。こちらは幽玄の世界をお楽しみいただけると思います。
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