佐助邸あれこれ

 冬至(22日)も過ぎ平成30年、戌年も残すところ数日となりました。冬至は1年で最も日照時間の短い日ですが、「一陽来復」といってこの日を境に運気が上昇するとも言われています。是非あやかりたいものですね。

 当会は、「見つけよう! 見てみよう! 伝えよう!」を合言葉に,会員相互の学びを大切に、研修会、見学会などからも疑問を丁寧に紐解き、共有しながら、ガイドの充実を心がけて参りました。今後もお客様の笑顔を励みに、「日々是好日」を心がけていきたいと思います。1年間お付き合いいただきありがとうございました。そして、どうか良いお年をお迎えください。
☆年末年始のお休みは:12月29日から1月3日まで 
 

 今回は佐助邸の設えに拘って見たいと思います。この邸には、派手さはあまり有りませんが、各所に「おもてなし」の心を感じていただけるのではないでしょうか。

 障子の桟や戸には面取り(猿頬面)、敷桟(注1)や反り止めなどの工夫がしてあります。そして廊下(2階南西、北西)の板戸(通常は開閉せず)は、一枚板で襖と同じ金粉が施されています。これは、田の字型の造りで、四方が廊下(回り廊下)になっていて、西側廊下にお手洗いがあるのも来客への心遣いでしょうか。(1階は1枚板ではないので、公私の棲み分けでしょうか)
 天井も各部屋毎に柾目・杢目を使い分けていますし、廊下や床の材質も各部屋で異なります。引き戸やカーテンボックスの意匠など、随所に濃やかな心配りが見受けられ、大正浪漫が至る所に垣間見られます。

 主は縁側でしばしば日向ぼっこをしていたとか、散策されたであろう前庭は、穏やかな佇まいで当時を彷彿させてくれます。春には梅、秋には柿が実るなど、当時の暮らしも窺えます。又,現存する建物自体が、歴史を伝え多くの教訓を与えてくれています。

冬至について・・冬の七草ってご存知ですか?なぜ冬至にかぼちゃを食べるの?そんな疑問から調べてみました。
①なんきん(かぼちゃ)、②れんこん、③にんじん、④ぎんなん、⑤きんかん、⑥かんてん、⑦うんどん(うどん)。「ん」が二つあるのがわかりますか?「運盛り野菜」といって縁起をかついだそうです。柚子湯もしかりで、柚子は実るまでに長い年月がかかること、邪気を払うという意味があるそうです。先人の機知に富んだ考え方や、生活の知恵には驚かされますね。(木造建築用語辞典、歳時記など参照)
注1:框が敷居との摩擦ですり減って歪まないようにする工法

  板戸にも金粉が・・・  透かし彫りの欄間(菊)
 マークとカーテンボックス    ガイドの様子
  師走の庭と雪見灯籠   晩年の佐助さん(庭)

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