今回は、東区から始まった名古屋の陶磁器産業。輸出陶磁器の拠点施設として建設された名古屋陶磁器会館をご紹介します。
 昭和7年(1932)に名古屋陶磁器貿易商工同業組合の事務所として建てられ、その後、昭和24年(1949)に名古屋陶磁器会館が設立された際、同業組合から受け継がれ現在に至っています。特に建築は名作で登録有形文化財になっています。会館1階のギャラリースペースでは、名古屋で絵付加工された製品の数々を見ることができます。また会館の南庭には、当時組合長で会館建設に尽力した井元為三郎氏の胸像が建てられ、今も静かに見守っています。

 この建物の大きな特徴は外観にあるようです。昭和初期に流行したスクラッチタイルが用いられ、陶磁器との繋がりを暗示しています。昭和54年には、昭和初期の優れた建築として選ばれているとのことですが、誰もが納得できる風格だと思います。周辺に建立されている近代的な建物とは、やや違和感はありますが、その重厚感は、多くの知恵と物づくりに対する熱意の結晶だと思います。大切な遺産として、末長く後世に残していって欲しいものだと思いました。 今まで、幾度となくここを訪ねていますが、行く度に新たな発見があり、驚かされます。玄関ホールのタイルは「ダイヤ」「モンキー」と名付けられていることを教えていただき、思わず後戻りして「どれ?どれ?」と、じっくり見入ってしまいました。

 落ち着いた雰囲気のステンドグラスが嵌まっていたり、当時を偲ばせるランプがあったり興味は募るばかりです。縦横の線には、装飾的な面のほかに一つひとつに意味のあることを知り、今までなにを見ていたのかなと反省しきりです。当時の緊張感や雰囲気が感じられ、レトロの世界を旅しているように感じました。
 勿論メインはギャラリースペースです。年代毎の素晴らしい作品が目を釘付けにし、一つひとつにその時代の職人技が読み取れます。絵付けの技法も貴重な文化遺産として引き継がれていくことでしょう。
 「絵付け教室」も開かれているようですので、これに参加、挑戦されるのも一興かも知れませんね。
詳細はこちらからご確認下さい。

   見事なバランス   登録有形文化財の銘板
  当時を偲ばせる意匠    年代を思い描いて
     井元氏の胸像  名古屋城が描かれた花瓶