梅雨時の晴れた日、清沢満之の足跡を辿ってみました。
氏は現在の黒門町の生まれで、筒井小学校の1回生(明治5年入学)、昭和27年には50回忌の記念事業として「頌徳記念碑」(注1)が校舎南門内に建てられました。刻まれた文字、清沢満之の像が雨に洗われ、濃さを増した新緑をバックにそびえていました。碑の東側には、筒井町の町名の由来にもなった「筒井づつ」(注2)が置かれていました。
清沢満之は、「今親鸞」といわれた宗教家でもあり、修行寺として知られる覚音寺には、41才という若さで亡くなった彼の絶筆「我が信念の碑」があり、訪ねる人を静かに見守っていました。時には脇道に入り、往時の風情を保つ界隈を散策してみてはいかがでしょうか。
(参考資料:当会資料、東区の歴史、ひがし見聞録)
静かに佇む碑 | 「我はかくの如く如来を信ず」 |
線刻された満之の像 | 睡蓮の花が彩りを添えて |
注1:碑の前面には「須く(すべからく)自己を省察すべし 大道を見知すべし」の文字と満之の
像が彫られている。
背面には満之の履歴が撰せられているとのことだが、風雪を経てはっきり読み取ることは
出来ませんでした。
注2:江戸期、建中寺の堀から湧いていた清水が水筒先の方へ流れ、その通路に当たる門前の広場
には、石の桶が埋められていたことが町名になった。(蓬州旧勝録)
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