東区は四季折々に素晴らしい景観が見られます。今は、大樹の緑が紺碧の青空をバックにあちこちでそびえています。
今回は泉町三丁目にある松山神社(注1))の「夫婦クスの木」、「長寿の大銀杏」をご紹介したいと思います。この神社、祭神は「日の神(天照皇大神)」、江戸時代には尾張三代藩主綱誠の祈願所となり多くの人が参拝するようになったとか。この神社は西向きの為、参拝者は誰もが東を向いてお参りすることになります。早朝、輝く日の光を木の葉越しに受けながら日の神(注2)を拝んだといわれています。
この境内に、樹齢不詳の二樹が土中で相和し、その樹肌、一樹は荒く他は優しく、あたかも仲むつまじい円満な夫婦の姿を思わせる「夫婦クスの木」が存在します。また長寿の大銀杏も在り、この樹は「ふくらしば」に似ているものの、樹名不詳の老樹が枯渇後も、濃尾地震や台風など幾多の災害に遭遇しながら、神霊の加護と不思議な生命力でそのつど蘇生してきているといわれ、神木の生まれ変わりとして崇敬し信仰されています。
また創建以来枯れたことが無いと言われ、由緒ある「天恵の井戸」もあります。静かな佇まいの社の中で、時には「おてんとうさま」とゆっくり向き合ってみられるのはいかがでしょう。(松山神社由緒書、東見聞録参照)
夫婦クス(道路から) | 寄り添って | 長寿の大銀杏 |
天恵の井戸 | 緑に抱かれた本殿 | 東区保存樹と神楽殿 |
注1:往古は広大な松林、江戸時代、天道町と称し、神社は天道宮、天道社又は松山天道社と呼び、後に今の松山神社の神社名の由来となったといわれている。
注2:太陽のことを「おてんとうさま」というが、これを漢字に当てはめると「天道さま」となる。
コメント