今回は、尾張徳川家の菩提寺である建中寺(筒井一丁目(注1))を訪ねてみました。境内にある様々な石造物を見付けながら、草木を見つめる例月とは趣を変え、新たな?出会いに興味を覚えながら散策してみました。総門(創建当時の門)を入り、文字通りの万緑の建中寺公園をゆっくりと三門へ向かいました。三門左に「陳元贇」と書かれた石柱があります。陳元贇は寛永3年(1626))尾張徳川藩主義直に招かれ、儒教、陶芸、菓子、建築、拳法などの異国文化を日本にもたらした方です。寛文11年(1617)没し、建中寺に葬られていましたが、現在、お墓は平和公園に移されています。
三門をくぐると、本堂の前に二基の石灯籠「春日灯籠(注2)」があり、厳かに出迎えてくれます。その左手に大きな「龍巻奥の院(注3)春日灯籠」が聳え立ち、素晴らしい彫刻に圧倒されます。これは数十年前に寄贈されたものだそうです。左右に目を凝らすと今まで気づかなかった多くの石造物(灯籠は約40基他)の多さにびっくりです。新しい発見にワクワク・・ドキドキの連続、視点を変えると普段見えていなかったものが突然見えてくるという、古からの言葉を実感しました。
ご住職様から、三門上層には釈迦三尊像と十六羅漢像が祀られているとお聞きしましたが、未公開とのことで残念ながら拝謁できませんでした。各所にある神社への崇拝を忘れないで、関心をもって臨みたいものです。
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本堂と春日灯籠 | 確かな存在感・・・ |
陳元贇の碑 | 昇竜が彫られている奥の院灯籠 |
建中寺の墓石を活用したと思われる石碑 | 観世音菩薩と由緒あるお地蔵様・・ |
注1:慶安4年(1651)に第二代藩主「光友」が父「義直」の菩提を弔うために建立
注2:春日灯籠は、鹿、雲、三上山などが彫刻されているのが特徴
注3:奥の院灯籠は、中台に干支が彫られていることが多い
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