石造物
蔵王の森「片山神社」を訪ねて
「青空の 中に風吹く 薄暑かな (村瀬青々)
薄暑(はくしょ)とは少し暑さを感じる頃、一年中で一番気候のいい季節であり、新緑が萌え、陽の光が急に強くなってくる頃です。肌をかすめていく風の心地よさを実感して、天狗伝説のある蔵王片山神社を訪ねてみました。
片山神社は、かつては樹勢旺盛で蔵王の森と呼ばれ“蔵王さん”と親しまれていたそうです。伝説(昔話)によると江戸末期に天狗が住んでいたということで、これが今の神田明神のお囃子に繋がるという言い伝えです。そんな異空間を持つ境内の不思議を探ってみたく訪れました。境内を整備中の宮司さまからは貴重なお話も伺いました。
晩春「ツツジ」の建中寺と「標石」
「つつじ咲て 石移したる うれしさよ(与謝蕪村)」春も5月4日の立夏までと残り少なくなりました。
建中寺の境内は目の覚めるようなつつじが、由緒ある建物を背景に映え、そこは別世界が広がっていました。つつじの横では刻印石(藩、確認中)も、存在感を示していました。何故ここにあるのかは不明だそうです(ご住職様談)が、探してみるのも楽しいのではないでしょうか。
前回から伊藤萬蔵の寄進物を探していますが、建中寺では三門前右にありました。梵字キリークで書かれたもので、明治42年10月と刻まれていました。ここも今は赤いつつじに包まれて華やかな雰囲気を醸し出しています。
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徳源寺「標石」・「キリ(桐)の花」
「桐咲いて 雲はひかりの 中に入る(飯田龍太)」
徳源寺のキリが早くも咲き始め、バスの窓越しに妖艶に微笑みかけている姿にちょっとびっくりです。前年の果実(黒色卵形)も共存し、青空に聳えています。高貴な花に出会いに行ってきました。
山門前の「標石一対」、「線香立て」は伊藤萬蔵の寄進したものです。萬蔵は明治から大正にかけて半世紀以上にわたり全国の神社や社寺に狛犬(物部神社、七尾天神参照)、標柱、灯籠などの石造物を寄進し続け、その数は千に近いといわれています。1927年(昭和2)94歳で世を去るまで、この活動を続けたそうです。この足跡は東区にもまだまだあるようですので、努めて見つけていきたいと思います。皆さんも見学の折、標石や狛犬をじっくり観察してみて下さい。
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七尾天神社「牛と亀と鷽」
「大寒の大々とした月夜かな(小林一茶)」
1月20日は大寒ですが厳寒の月は見応えがありますよ。ちょっと早く起きた朝はいいことがあるかも?!
牛を求めて七尾天神社を訪ねてみました。ここは「七尾の亀伝説」が有名で「牛」の存在は薄れておりました。改めて訪ねてみると居ましたよ、臥牛が2頭、天神様のお使い・学芸上達・病気平癒に撫でてくださいと書いてありました。ゆっくり読むのは初めてで、改めて「撫牛」の意味を知り、学びの大切さを再認識しました。新年を迎え、本年が明るい一年になることを祈りましょう。
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物部神社「牛と狛犬」
むらさきも くれなゐも草 寒に耐え(山口青邨)」
今年の干支は「丑(牛)」。牛といえば菅原道真にまつわる「天神様」は有名ですので、今年の歩き始めは干支の「牛」探しをしてみましょう。
道真を祀る天神様は学問の神様・・・、ここには「牛」の像(撫で丑)があります。牛は神の使いとされる動物だからだそうです。そして道真にまつわる「牛」については諸説ありますが、「道真はうし年」だったとか、太宰府天満宮の出来た経緯などありますが、はてさて?
いずれにしても先を急がず、物事を一歩一歩着実に進めることが大切で、その事が将来の成功に繋がるといわれています。当会もしっかり基盤造りの年となるといいなと思います。
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