生存する文化財として、「東区の名木」に指定されている草木がたくさんあります。まず初めに、今が盛りの「散りツバキ」を紹介します。
 名古屋市東区百人町(注1)西(交差点の北東)、細い路地を入ったお宅の道路沿いに植えられており、丁度見ごろ(5〜6分咲き)です。花が丸ごと落ちる椿と違い、その名前が示す通り花びらが一枚ずつ散り落ち、紅い絨毯を敷き詰めたようになるようです。今でも、噂になるほどの稀少な存在ですが、その名は「沖の浪」と言い、古くは元禄時代からある名花だそうです。花は桃地に紅色の濃淡が混じった縦紋が入り、花弁の縁が白く抜けた覆輪になり、蓮華性(注2)の八重咲きの中〜大輪で、絞りの代表的な花だそうです。白地に出る絞りと、紅色に出る斑入りがあり、昭和36年3月に発売の、「日本の花」の切手シリーズに図案化され採用されたのも「沖の浪」です。赤単色の枝変わりも出るようで、これは「藻汐」と呼ばれ、これは江戸期からの古品種とのことです。1本が枝分かれし二色の花が華麗に咲き分けられています。

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      沖の浪(個性豊かな縦絞り)    沖の浪と枝変わりした藻汐(赤)
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     元は1本・・・自然の不思議?! 発行月(3月)にふさわしい図案が採用

注1:藩政時代百人組同心の屋敷があったことからこの町名が出来た。
注2:「八重咲き」の一つのタイプで、花弁と花弁の間が透けている。
   花弁が少し中折れしてゆるく反り、花に立体感がある。日本では人気のある花形の一つ。
   (花図鑑・日本の椿花参照)