「天蓋の ごとく菩提樹 咲きにけり(那須茂竹)」 
 長久寺には境内にある大きな菩提樹に包まれるように「庚申塔」があります。その昔「三尸(さんし)の虫」にまつわる伝説があり「庚申待(庚申会)」という会を庚申の日に行う風習がありました。毎年8月28日に行われる庚申祭の謂われは、災厄を避けようという道教の教えで、無病息災を祈るということです。以前(2010年頃まで)は夜店なども出て盛大な行事でしたが、今は行われていないそうです。残念ですね。
当時の様子はこちらからもご覧いただけます。
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 長久寺(白壁3)は清須越しのお寺で創建は慶長15年。名古屋城の鬼門鎮護で尾張徳川家の祈願所です。総門は薬医門で清須からの門、名古屋市の指定文化財になっています。書院からの見晴らしは長久寺八景といわれる素晴らしい景観でしたが、今はその面影はなく夢物語になってしまい、とても残念です。本尊は木像不動明王立像で智證大師円心(空海の甥)作と伝えられています。因みに川上貞奴さん寄贈の不動明王は護摩堂(本堂)に安置されているそうです。

 庚申塔は安山岩の石塔の正面に、青面金剛童子像(庚申祭の本尊)が彫られ足下には鬼、その下に三匹の猿が両膝を立てています。庚申信仰は平安時代に遡るといわれますが、盛んになったのは江戸時代からだそうです。全国的にも古く寛文8年(1668)の刻印があり貴重なものであるとのことから、名古屋市の指定文化財になっています。
 「菩提樹」は「正しい悟りの智」を意味し、臨済宗の開祖栄西が、中国から葉の形が似ていることから、本物と思い持ち帰り寺院に植えたという説があります。お釈迦様が悟りを開いたのはインド菩提樹で、無憂樹(誕生の花)、沙羅双樹(入滅の木)が三大聖木といわれます。類似種に西洋菩提樹(夏菩提樹)、シナノキ(科の木)など5種類があるそうです。(庚申塔縁起、ひがし見聞録、あれこれ冊子、植物図鑑等参照)

【伊藤萬蔵寄贈の石造物】
 萬蔵寄贈の手水鉢と石仏(如意輪観音)を見つけました。手水鉢は参道の左手にありますが、刻印はよく見ないと見過ごしてしまいそうです。お地蔵様側から確認出来ました。参道の突き当たりには「如意輪観音」が静かに佇んでいました。大正9年12月建立がやっと読み取れました。

   清須越しの表門     葵の御紋が・・
菩提樹の甘い芳香に包まれて   庚申塔を優しく抱いて
      庚申塔   睨みをきかせて?!
    弘法大師像   萬蔵寄贈の如意輪観音