町の話題 「伝統行事を訪ねて(豆まき)」

「暖かく 炒られて嬉し 年の豆(高浜虚子)」

 2月3日は節分。そして2月4日は立春です。立春は二十四節気で春の始まる日と言われています。昔はその前日は大晦日ということになり、平安時代の宮中では大晦日に陰陽師によって、旧年の厄や災難を清める「追儺(ついな)注1」の行事が行われていたそうです。その後室町時代以降、悪鬼を追い出す行事へと発展し民間に定着し現在でも大切にされています。豆を蒔く理由の一つは鬼の目を打つ「魔目」や魔を滅する「魔滅」からとの説があります。

 2月3日片山八幡神社(徳川2)では、節分祭「豆まき」が行われました。本堂でのご祈祷が粛々と執り行われご祈祷を受けた後、設けられた福の神と赤鬼、そして今年の恵方(南南東)に向けて「鬼は外」「福は内」の合図で福豆を勢いよく撒きました。可愛い園児も福豆拾いに参加し、明るい笑顔に包まれ穏やかな空気の流れる平和な空間がありました。和やかな日常の尊さを実感した瞬間でした。

 今年は「癸卯(みずのとう)」で「卯(動物では兎)」が跳躍する姿から「飛躍・向上」の象徴として親しまれてきたようで、新しいことに挑戦するのには最適な年だそうです。
 干支の兎を探してみました。以前ご紹介した「白山神社(矢田2)」には欄間に12支が彫られています。中区に兎神社があると聞き「三輪神社(大須3)」を訪ねてみました。さすが卯年にちなみ大勢の方々が参拝に訪れていました。境内には、あちらこちらに可愛い兎が置かれ思わず微笑んでしまいます。「幸せのなでうさぎ」は行列ができ、写真撮影やじっくりゆっくり撫でながら感触を楽しむなど、皆さんの平安を祈る気持ちが見受けられました。待つ人の静かに待つ姿は素敵でした。穏やかな陽光にホッと安らぎを感じました。ここの地名は境内に京都の三十三間堂の長廊に模して造られた尾張藩の矢場があった。現在の矢場町の名はそれに由来すると言われ、尾張藩との繋がりが出てきました。嬉しい発見でした!新しい出会いはワクワクしますね。皆さんも「まち歩き」を楽しんでみませんか

ここ数年、コロナ禍で夫々の活動も停滞していましたが、少しずつ人々も動き始めているようです。風は東風(こち)に変わり春を感じられるようになってきました。春告草「梅の花」がほのかに甘い香りを漂わせ目を楽しませてくれるようになりました。

 当会も規制の中、様々な取り組みに挑戦してきました。今年は更なる飛躍ができるといいなと思います。皆様のお越しをお待ちしております。

注1:中国の古い鬼追の行事

片山八幡神社(鬼と福の神)
厳かに御祈祷が・・
恵方へ向かって・・
福兎(三輪神社)
手水舎にもうさぎが・・
願いが叶いますように
尾張藩の矢場跡
欄間に彫刻された兎(白山神社)

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