徳川園のこのごろ

 「大木にして みんなみ(南)に 片もみじ(幸田露伴)」

 秋の日は釣瓶落としと言いますが、なが〜い酷暑からやっと秋?に入り、樹々も慌てて時季を確認している様ですね。明るい日差しの南側から色つき始めました。緑、橙、黄、赤と一本の木で絶妙な色合いを見せていますが、これもなかなか情緒がありますよ。青空に透き通る黄葉、紅葉もまもなく見せてくれることでしょう。今年はコントラストの良い秋紅葉と出会えるでしょう。

 園外の黄葉はそろそろ黄色の絨毯になってきました。赤色は間もなく悠然と現れるのではないでしょうか、待ちましょう。昨日までは夜間開園も開催され、幽玄の世界へと誘っていました(写真会員撮)。昼と夜の間の演出は素晴らしい世界へのご案内です。遅くきた秋は冬支度前の粋な計らいにワクワクしてきますね。

 昼の徳川園も散策してみましょう。透き通る青空にゆったり流れる白い雲、優しく注ぐ秋光がそっと顔面を通り過ぎていきます。

 里山に立つ歌碑「宇つりつつ静かに色を変えてゆく 登与波多(とよはた)雲の空のたなび起」にも目を止めてくださいね。中部歌壇の重鎮「浅野梨郷(あさのりきょう)の詠です。「豊旗雲」はゆったり流れる雲で秋の季語にもなっています。その歌碑を包み込むような大木のサンシュユの赤い実が見頃です。現在は園内ではマユミ、シロマユミ、ハクサンボク、ミヤマキシミなどなどが道案内していますよ。真っ赤な実を探してみてくださいね。花々も急ぎ足で秋を追いかけている様です。

 龍仙湖では、もみじのグラデーションを水鏡に映し出して、和みと癒しの空間を見せてくれます。マガモや鯉も一役かって彩りを添えています。ここは、素敵な憩いの場となり人だかりができて、賑やかな声が響いています。

 湖岸では、可愛い子福桜も咲きはじめ青空に背伸びしています。通り過ぎてしまいそうで、ご案内すると「えっ!気づきませんでした」と驚かれ、暫くじっと見いっている方もおられますね。花々も自己アピールしながら秋色に染まっていくようです。

 大曽根の滝周辺はまだ紅葉はこれからですので、青紅葉と三段の滝から落ちてくる雄壮な飛沫は撮影ポイントとなっており、ベストポジションを探して楽しんでいる方もいますね。滝を見ながらの一服も落ち着きます。見方も観賞方法も人様々で、素敵な人間模様が繰り広げられています。

のんびり・まったり散策をすると、思いがけない発見に出会えるかもしれませんよ。短い晩秋、好みのスタイルで去り行く秋をお楽しみくださいね。

雲・水鏡
茶室からの風景
グラデーション
幻想的な夜景
里山では・・・
常夜灯の粋な計らい!?
マユミの実
秋の七草フジバカマ

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