東区新出来1丁目に徳源寺があります。ここは織田信長公の次男信雄公が建立。延享元年(1744)に現在地に移り、文久2年(1862)藩主徳川慶勝が雲水修行の専門道場として創建。現在も全国より僧が集まり、厳しい修行を続けています。禅堂(非公開)は文久2年に中区総見寺の禅堂を移築、鐘楼は明治3年に総見寺または政秀寺より移築。佛殿には大正期の作といわれる5メートルを超える大きな涅槃像が安置され、また、後部には五百羅漢が祀られています。
今、境内の中門脇にある菩提樹(注1)が満開で、ふくよかな芳香を漂わせ、その大木を淡黄色に染めています。甘い蜜を求めて飛ぶ蜂の羽音の賑やかさが、<今を盛り>を象徴しています。修行僧の方の「蜂に気をつけて」の気遣いがなければ、必要以上に近づきすぎてしまいそうです。この他にも、桐の大木や保存樹指定の樟(クスノキ)などが植えられており、歴史ある荘厳なこの寺社を、静に見守っています。
(徳源寺説明書、東区の名木、花図鑑参照)
右手奥が保存樹のクスノキ | 涅槃像、後部には五百羅漢が・・・ |
満開のボダイジュ | 花の柄が苞葉の中ほどから下がる |
注1:中国原産のシナノキ科の植物。その昔、中国へ留学していた高層が種を持ち帰り、各地の寺院に広められたといわれている。お釈迦さまが悟りをひらいたといわれる「ボダイジュ」は、別種の「インドボダイジュ(クワ科)」です。
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