前回に引き続き、彩りを日々変化させる草木を愛でつつ、東区出来町3にある「長尾山 東界寺」を訪ねてみました。東界寺の謂われは、名古屋城の東の境目(境界)であったためだと教えていただきました。 
 尾張徳川家六代継友の実母である「泉光院殿(注1)」が亡き父の菩提を弔うため享保13年(1728)、弟「卓運和尚」によって創建されました。古くから耳病平癒に霊験あらたかで、治癒後には“底抜け柄杓(ひしゃく)”を奉納したとのこと、これは詰まっているものが開いて通じるようにとの祈願からだそうです。

 御本尊は「薬師瑠璃光如来(運慶作)」で、薬壺(やっこ)を持ち病気を治す仏様として知られている如来です。西方極楽浄土の阿弥陀如来に対して、薬師如来は東方浄瑠璃界(現世)の教主とされています。この御本尊は三代藩主綱誠公の念持仏として別宅に安置されていた薬師如来を移転安置したものだそうで、当時は薬師様の命日旧暦10月8日(現在は月おくれの11月8日)の“提灯まつり”は参詣者が寺内にあふれたということです。(東界寺案内書より)

 本年も「本尊薬師ご開帳大祭会(提灯まつり)」が11月8日に厳かに執り行われておりました。御本尊様を拝顔し、如来様の腕と繋がっている「善の綱」に謹んで触らせていただきました。
 当日は塀や寺内に飾られた提灯や願い事を書いた灯篭が並べられ、午後5時頃からは全てに明かりが灯され幻想的な世界へと広がっていきました。今回(12/5)立ち寄った際には、山門に五色で編まれた「善の綱」が如来様と繋がっていました。触ると手を繋いだことになるそうですよ。

 山門は、数年前に新しく落慶されましたが、これは代替わりの際に造り替えられたと教えていただきました。立派な阿吽の仁王様がどっしり構えていますし、山門屋根には尾張徳川家との繋がりを持つ “葵の御紋”があり、重厚さを増しています。
 山門を入ると境内に広がる枯山水の庭は白砂の素晴らしい庭園で、穏やかな安らぎを感じさせてくれました。
 様々な謎を解く手がかりや、不思議の世界を体感してみるのはいかがでしょうか。

注1:泉光院殿のご位牌も安置されている

   立替前の門    提灯まつり(火入り)
 「善の綱」は御門から  境内に飾られた提灯と灯籠
  荘厳な如来様・・    徳川家の繋がり・・
    庭園と本堂    枯山水の庭園