「うつくしや 雲ひとつなき 土用空(小林一茶)」
 梅雨明けとともにあっという間に夏の土用の入りとなりました。
 喧騒から逃れ緑陰を探して、「かっちん玉祭」で有名な六所神社を訪ねてみました。まつりは毎年2月26日に開催されていますが、今年はコロナ禍もあり、通常の賑やかさはありませんでした。伝承を継承するためのルールを守りながら、古(いにしえ)からの伝統を大切にされていました。「かっちん玉」は、矢田の六所社のお祭りにしか売られていない飴なのだそうです。その伝説を紐解いてみましょう。

 12世紀末に創建のこの社の祭神、ウガヤフキアエズノミコトの母トヨタマヒメが、一羽の鳥が落としていった白い丸いものを舐められて、ミコトを安産されたといわれています。この白いものを飴になぞらえて、笹の先につけて売るようになったのが「かっちん玉祭」の始まりと言われています。

 「くらがりの森」ともいわれ、昼でも暗く竹の棒の先に松明や藁束を燃やして森に入ったので、この松明をかたどったとも言われています。

 この地は昔、塩の道が通っており、ある日、都の貴婦人が途中で産気付き、この社の森の中で玉のような男の子を安産したという逸話から、子供の臍の緒を形取ったものだともいわれています。 

 「かっちん」は、子どもたちが飴の硬さ比べをしたときの音だともいわれ、様々な言い伝えがあります。諸説に真実味がありますが、真相は闇の中・・

 六所神社は古くは本地仏として子安観音が祀られ、子安(安産)の宮として広く崇められ、今でも仏の恵みがあると伝えられ、六所神社の氏子には難産の婦人はいないのだそうです。安産、生育、厄除けなどを願い、多くの方が参拝に訪れるそうです。

 厄除けと言えば・・・
 「茅の輪神事(夏越しの祓)」が7月25日、4時から開催されるそうです。

 夏越しの祓の時に、茅または藁を紙で束ねて輪形をつくり、参道に取り付けて参詣者をくぐらせ災厄を祓うものです。京都祇園社の蘇民将来の故事からきた習俗だそうです。

 長引くコロナ禍、時にはクロガネモチや樟の保存樹の大木のおおい繁る静寂の境内を、楽しみながら出かけてみるのはいかがでしょうか。

 「鳥居ぬけ 茅の輪をくぐり 神の前(松本たかし))

   かっちん玉(以前の様子)    本殿前(以前の様子)
 
  今年は露店も少なく     葉音が涼やかに
   
    六所龍神社    手水舎(龍が出迎えて)
   
    六所稲荷大明神     巻物をくわえて