去る12月2・3日(土・日)徳川園、恒例となっているソテツの菰巻が行われました。ソテツは温帯地域原産のため、防寒と養生を兼ね、翌年の3月啓蟄の頃まで見ることができます。菰巻は木全体をすっぽり覆い、厳しい寒さから守る冬の風物詩となっています。場所毎によって形の異なる、4種類の菰巻が行われました。
 2日に「二条城庭園風」と「浜離宮恩賜庭園風」が実演され、これを見学しましたが、翌3日には、別の2箇所が実演完成されていました。日本の伝統の奥深さと、見事な職人技にすっかり魅了されてしまいました。これからの龍仙湖畔の散策を一層楽しませてくれることでしょう。

 ソテツは大名庭園には不可欠なもので、桃山時代から異国情緒を演出する庭園樹としてエキゾチックな姿が珍重されたようです。また、その姿から別名「鳳尾蕉(ほうびしょう)といわれるとのこと、名は体を表すと納得です。 その姿・形から時の為政者の力の象徴になっていたようです。江戸の大名庭園は文化や風雅の競い合いでもあったようで、その構成は類似しているようですね。
 桃山時代から江戸時代にかけて流行し、二条城二の丸庭園などにも見られたとの記述も見られます。地域によって様々な形があるようで、徳川園では先に紹介した菰巻の他に徳川園「明治・平成」の二つ形が披露されています。

 実演中は大きな人だかりができ、質問攻めにあいながら「頭(かしら)」は、一つ一つ分かりやすく説明され、作業の流れなどを知ることができまた。菰巻は二人の「あ・うん」の呼吸で丁寧に進められ、手元に見とれていて、肝心の写真を撮るのもしばしば忘れてしまう有様でした。
 この作業、先ずは樹形を整え菰を巻き、次に各菰巻の形に藁で化粧を行い、シュロ縄、藁縄で整え、菰の形に合わせて手際よく造っていかれました。最後に、根本にも霜よけや養生のための藁を敷き竹串で飾り(編み込み)完成です。これらの作業で、かれこれ1日が費やされました。一挙手一投足には、ソテツに対する愛情が感じられ、これはガイドする私たちも参考にすべきかと、素敵な出会いに感謝しました。

 園内はまだ黄葉・紅葉も楽しめます。赤、黄、橙、緑と様々な色のコントラスト、楚々と咲くコブクサクラ、白やピンクのサザンカ、根本にはキチジョウソウや寒椿。侘び助などのツバキも咲き始めました。運が良ければカンボタンに出会えるかも・・。まだ他に、隠れた草木を探して見るのも一興ではないでしょうか。

  二条城庭園風 化粧藁  二条城庭園風菰巻完成
 浜離宮風・・化粧藁を巻く  シュロ縄で飾り出来上がり
  根本まで心遣いが・・   龍仙湖畔の紅葉
   ハクサンボクの実  四睡庵ではツバキが・・