花芽を付けた後に色づき枯れた葉を落とす、この自然の営みに感動します。樹木の冬支度が着実に行われ、この環境に適さないソテツなどには、菰巻により来たるべき冬への準備が進められています。先日は実際の菰巻の現場に遭遇、折良く来園された方々も職人さんの「あ・うん」の呼吸と、見事な匠の技に感嘆の声が上がっていました。
 龍仙湖畔と紅葉とのコラボは絶妙ですし、その近くでは「子福サクラ」が可愛い花を付け、風花(注1)のようで冬の時期を彷彿させてくれます。
 ハクサンボクや千両、万両、十両(ヤブコウジ)などの赤い実が人々を優しく見守ってくれていますし、白色の百両の実が、師走の風に揺れ足元で踊っています。探してみてくださいね。

 龍仙湖では“まがも”が暖かな場所を見つけて羽根を休め、時に湖面に波紋を描いて、人の目を惹きつけています。鯉も陽だまりを求めて船宿や石かげに群れていますが、人の声や足音には素早く反応し大きな口を開けて餌をねだっている姿は可愛くもあり、怖くもあります。その周りは笑いの渦に変わる不思議な光景が広がります。
 紅葉も終わりに近づいていますが、場所によっては今が見頃の場所もありますので、ゆっくり散策してみては如何でしょうか。

 今回は敢えて園外を散策してみましたが、園の周りから眺める景色もなかなか良いものですよ。東門から公道(徳川園と美術館の間)脇には三葉の松の葉が落ちています。松の葉は通常二葉ですが、じつは一葉から五葉の松葉があるそうです。一葉はアメリカヒトツバマツ、二葉はアカマツ、クロマツ等、四葉はアメリカヨツバマツ、五葉はゴヨウマツ,ハイマツとあります。

 テレビの情報では、高野山の御堂道の前にある松は「三鈷の松」と呼ばれ,弘法大師と「飛行三鈷杵(伝、弘法大師所持)」との謂われもあるようで、密教の法具、三鈷杵(さんこしょう)の先が三つに分かれていることから、その形に合わせて「三鈷松」と呼ばれているそうです。しかし、三葉松にも色々あってダイオ−ショー(大王松),テイダマツなどがあり、北米産のもので大木になるようです。園外のマツは、テイダマツにも似ているような気もしますがハッキリとは分かりません。松ぼっくりには“とげ”があり、拾うときには,かなりの注意が必要です。その鋭利なトゲトゲにびっくりしました。いずれにしても三葉の松葉は福を招く縁起物だそうですので、時には回り道の醍醐味を味わってみてはいかがでしょうか。
注1:晴天の青空の中をハラハラと舞うように降る雪のこと

  湖面には見事な水墨画      秋色の競演
 子福桜は雪花のよう・・  脇長屋も黄色に化粧して
  冬支度への準備・・   ソテツの菰巻の様子
  足元では百両が楚々と   三葉の松と苔のコラボ