「東区文化のみちガイドボランティアの会」が名古屋市東区「文化のみち」の魅力を紹介します
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東区の偉人・賢人

鈴木政吉と安斎院

 当会では、来館された方々に寄り添えるガイドを心掛けていますが、その他に「ガイボラ文会」と称して、各人が地道に調べ探求した結果を発表しながら、お互いに学び合う場を定期的に設けています。
 東区が生んだ偉人の一人に「人生をヴァイオリンにかけた創造者」である鈴木政吉がいます。今回は鈴木政吉がヴァイオリンの製作の過程で出会い、糸を紡いでいく中で知った、当会と関係あるお寺と場所にスポットを当ててみたいと思います。

 6月文会は『「ヴァイオリンの音色に魅せられて」受け継がれた鈴木政吉の志』のお話で、幾つもの驚きと感動に圧倒されました。特に興味を覚えたのは、鎮一がドイツ留学の折りに、徳川義親氏との出会いがあったからという場面です。そして大好きなアインシュタインと政吉、鎮一との間に親交があり、更に鎮一が留学中、アインシュタインと一緒に演奏したことは驚愕でした。 

 「えっ?!あの徳川園(旧尾張徳川大曽根邸)を名古屋市に寄贈された義親様との繋がりにまたまたびっくりでした。そして東寺町に「曹洞宗 安斎院」がありますが、その総門を明治41年に政吉が寄付(注1)されていることも然りです。偉大だったと誰しもが認める方がぐっと身近に迫ってきました。この思いがけない糸を手繰ってみたくなり、安斎院から徳川園への散策に出かけてみました。

 安斎院も、ゆとりを持って心静かに向き合ってみると、境内(門外から観賞)も静寂の中で静かに時は流れており、真っ青な空にゆったり流れる白い雲、掃き清められた境内ではヴァイオリンの音色が流れているかのように感じたのは私だけでしょうか。

 総門は重厚さで存在感もあり、そこに施されている鳳凰の彫刻は今にも羽ばたいていきそうです。塀には、ちょこんと二人の僧が優しく見つめています。これは中国唐代中期の高僧「寒山、拾得(かんざん、じっとく)」だそうです。様々な説もあるようですが、これに豊干(ぶかん)を加えた四睡図(注2)は禅の境地を示すもので、お釈迦様と文殊菩薩・普賢菩薩とも言われているそうです。森鴎外の著した「寒山拾得」を読まれてみるのも面白いかも知れません。この四睡図に関連づけて徳川園の里山にも「四睡庵」があり、穏やかな空間を演出しています。そして、この四睡図の図柄が日光東照宮にも彫刻されているとのこと・・ご存知でしたか?
 次から次へと、夢の広がっていくこんなルートの散策は如何でしょうか。

     安斎院門      鳳凰彫刻
    寒山拾得     塀と緑陰
   水琴窟と四睡庵     文会の様子
  松山公園の花     アメリカデイゴ

注1:木札(棟札)が現存している 
注2:画題の一つで、中国唐代の三人の僧と一匹の虎が寄り添って眠っているところを表している  

町なみ保存地区3{主税町}

 以前、主税町筋にある朝日文左衛門の銘板(注1)をご紹介しましたが、今回は、国道41号線から東(杉村老松線→桜並木)へ向かって歩いてみました。
 私たちがガイドをする際、しばしば「主税町(ちからまち)」の読みを尋ねられますが、「税務署があるから?」と“税”繋がりの連想をされる方が多いように思います。真相は、由緒ある方のお名前からなのです。この辺り、江戸時代中級武士の御屋敷があった場所で、義直に仕えて勘定奉行となった「野呂瀬主税(のろせちから)」が当地に屋敷を構えたことから、その名が町名の起源になっているそうです。その場所には、現在カトリック主税町教会があります。この教会は明治20年に建てられた名古屋で最初のカトリック教会で、明治33年建設の礼拝堂は野呂瀬家の長屋が利用され、その当時は畳敷きであったということです。この地方の中心的教会の役割を果たしていましたが、現在は「主税町記念聖堂」が正式名称となりました。

 梅雨空を見上げて、皆様お気づきでしょうか?主税町筋には電線が1本もありません。ちょっと鬱陶しい電線が見えないのです!“何かゆったり感じていました”と述べておられたのが実感ではないでしょうか。現在、電線の代わりに優しい街灯が林立しており、幻想的なガス灯が思い浮かぶようです。
 電線の埋設は、町並み保存地区に指定され進められているのですが、タイムスリップしたように感じ、非常に新鮮に思ったのは私だけではないでしょう。この地には、佐助邸を始めとする貴重な歴史的建造物が残されています。最近は近代的な建物が建造され、足元には歩行者に優しいコミュニティ道路(注2)も造られ、モザイク模様に寄り添って可愛らしい草花(今はジャノヒゲ)も植えられています。そんな“昔といま”が混在する不思議な空間を作り出しているのが主税町です。少し目線をかえて散策すると、思いがけない出会いが待っているかも知れませんよ。
☆当会では皆様のご要望に合わせた依頼ガイドも行っております。「ガイド」からお進み下さい。

@CIMG5090街灯アップ @CIMG5122春田邸から東
佐助邸から西へ  街灯も一役 
@CIMG5111教会から東 CIMG5123教会から西を 
静寂の町並み?!  コミュニティ道路 
@CIMG8644教会縮 @CIMG5118花
教会ガイドの様子  古民家の路地で 楚々と

注1:こちらからご覧いただけます。
注2:歩行者に優しい道路(住宅地の道路整備の手法の一つで、車道をジグザクにしたことでできた歩道空間に植樹や花壇を造るなど空間を有効利用)

活動報告 展示会を終えて

高岳福祉会館で開催されておりました展示会は、1月30日(土)をもちまして、無事終了致しました。会館に別件でお越しの皆様方が、用件前の時間、用件の済んだ後のひととき、また休憩時間などにお越しになるのも目立ちました。チラシをご覧になった方は流石に関心が深く、展示された一人ひとりを、丁寧にゆっくり読まれ、「そうなんだ、知らなかったなぁ」「うん、うん、そうだね」と頷きながら観賞される姿が印象的でした。そんな光景を見ていると、こうして東区の魅力が少しずつ浸透していくのだろうと思いました。
会館の企画で開催された「東区ゆかりの偉人、賢人、有名人の講座」には、大勢の方が熱心に聞き入っておられました。ボランティア活動の開拓者といわれる水谷忠厚氏をはじめ、東海道線名古屋駅誘致を実現した名古屋初代区長、吉田禄在氏、トヨタの石田退三氏の努力と功績、敷島パンの創業者盛田善平氏について等々のお話しをされました。講座を聞き終えて一層興味を増されたのでしょう、終了と同時に展示された廊下は大変な人だかりとなり、パネルの前では話が弾んでおりました。
こうした企画は、会員の相互学習の場ともなっておりますが、貴重なご意見やお話しは次へのステップの貴重な資源になるものと思います。これからも東区の魅力を探し、広げていきたいと思います。

CIMG2682活動の様子、講座 CIMG2680講座
 講義に聞き入り・・  メモを取りながら
 CIMG2690展示@ CIMG2598
 丁寧に読みながら  この人は?

「市政資料館周辺・・・今・むかし2」

今回は、前回掲載しました歴史ある市政資料館周辺を歩いてみました。
司法長屋から南へ数十メートル、そこには重厚な土蔵と落ち着いた建造物、愛知県議員会館(東外堀町)があります。この地は、幕末まで尾張藩家老・田宮如雲の屋敷であったそうですが、明治以降、司法の中心であった由緒あるこの場所、第9代名古屋市長を勤めた大喜多寅之助(注1)が弁護士として活躍されていたようです。この建物は、大正9年に私邸兼事務所として建設されましたが、昭和27年愛知県の所有となり、現在は県議員会館として、会合や宿泊施設として利用されているそうです。建物は非公開ですが、木造平屋建ての洋館と木造二階建ての日本家屋・庭園などが、随所に昔日の面影を今にとどめています。
この周辺を歩いてみると、その昔、尾張藩御典医であった医院(注2)や、何となく懐かしい感じのするお店、さらには風情のある長屋と、今とむかしが微妙に交錯する不思議な町並みに出会うことができます。
ある長屋にお住まいの方から、「この建物は100年位前からある長屋だ」と教えていただきました。住み始められた頃には、この辺りはこのような長屋が幾つもあったとのことです。「貴重な建造物だけに、何とか保存をしたいと考えますが、当時の建材は今では入手も困難になり、維持していくのも難しいのです」との言葉が印象的でした。
寄り道もまた楽し・・・初秋を感じながら、ゆっくりと探索してみて下さい。
★当会では皆様のご要望に合わせた依頼ガイドを行っております。お問い合わせはこちらからお願いします。

@CIMG0215 @CIMG9900
秋色に染まり始めた会館 土蔵と和館(北側から)
@CIMG9892裏手から @CIMG9894土蔵と和館、裏手から
落ち着いた日本家屋 風格を漂わせ・・・
@CIMG9879 @CIMG8373高橋医院・左手病院
懐かしい長屋の風景 医院と旧宅

注1:名古屋弁護士会会長、東邦商業学校(現、東邦高校)初代校長、中京法律学校長などを務められ名古屋の発展に大いに貢献された
注2:医院は近代的な建物に変わり、現在11代目が開業中。旧宅にあった門は、残念ながら取り壊されてしまった

銘板を訪ねて「朝日文左衛門」「主税町長屋門」

当会の常駐場所である佐助邸周辺は、昭和60年「町並み保存地区」(注1)に指定されました。この辺りは、江戸時代には300石級の中級武士の御屋敷だった場所で、今でも門・塀・草木に当時を偲ぶことが出来ます。また大正・昭和初期に建てられた近代洋風建築が多く残されていることも、この地の大きな特徴です。今回は主税町筋にあり、江戸時代からずっと時の流れを見守り続けている主税町長屋門と、「鸚鵡籠中記(おうむろうちゅうき)(注2)」を著したことで有名な、朝日文左衛門跡の銘板をご紹介したいと思います。
文化のみち二葉館の西側(前)の道、杉村老松線(桜並木、注3)を北へ進んだ交差点北西角(太閤横)に、「朝日文左衛門邸宅跡」の銘板が昨年設置されました。今、時に話題となる南海東海沖トラフ地震と似ていたと言われる「宝永地震(注4)」についても克明に記載され、専門家の参考にもされているとか・・・。筆まめであったらしく、足かけ27年、約9600日の膨大な日記に、現在では様々な方向から光が当てられているようです。邸宅の痕跡はなく、建造物として当時を窺い知ることは出来ませんが、そんな時代背景と、個性豊かな武士の存在を想像されるのも楽しいのではないでしょうか?
ここから主税町筋を東へ数メートルの場所に、江戸時代から当時のままの位置に残る唯一の長屋門と銘板があります。典型的な中級武士の門で、町奉行平岩家・・幕末には第3師団長の桂太郎(後の内閣総理大臣)の宿舎にもなったと言われています。その後、持ち主は変遷していますが、数百年の間、静かに歴史を道行く人々を見守り続けてきています。気づかずに通り過ぎてしまいがちな銘板、時には足を止めその歴史を辿ってみられては如何でしょうか。(東区HP、尾張名古屋傑物伝、当会資料参照)
皆様のご要望に合わせて依頼ガイドを行っております。お問い合わせはこちらからお願いします。

CIMG3926長屋門 CIMG6929長屋門ガイド
長屋門(文左衛門銘板を東へ) 長屋門ガイド
CIMG3930文左衛門パネル CIMG393銘板から主税町筋
文左衛門 屋敷跡 文左衛門銘板から主税町(西へ)
CIMG7817西川 CIMG8665主税町ガイド
佐吉の片腕、西川邸 春田邸ガイド

注1:詳細はこちらからどうぞ(名古屋市東区HP)
注2:人の言ったことを繰り返すオームに託して書いた日記。(18歳から書き始める)
注3:名古屋市内で最初に大寒桜の咲くことで有名。こちらからご覧ください
注4:宝永4年の巨大地震

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開館日とガイド実施時間

◆旧豊田佐助邸
月曜日休館(祭日が月曜日なら翌日)
開館時間: 10:00~15:30
ガイド常駐日:火、木、土
◆文化のみち二葉館
月曜日休館(祭日が月曜日なら翌日)
開館時間: 10:00~17:00
定時ガイド: 火、木、土
10:45、13:20の2回
30~40分
◆徳川園
月曜日休園
開園時間: 9:30~17:30
定時ガイド: 金曜日
13:00~15:30

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