文化のみち二葉館「旧川上貞奴邸」

 今年の世相を表す漢字は「密」でした。未曾有の暮らしの激変を象徴しているのでしょうか。平穏な日常のありがたさが実感された一年であったと思います。

 一年で昼が一番短い冬至→クリスマス→年の瀬→大晦日→新春へと、激動の中でも暦は例年通り進みます。今、街中はちょうどクリスマスに向けての商戦が繰り広げられています。

 現在、文化のみち二葉館では「きらきら二葉館クリスマスウイーク」を開催中です(12月25日まで)。大広間には立派なツリーが飾られ、一緒に記念写真の撮影もできますよ。激動の年、思い出にいかがでしょうか。

 旧川上邸(二葉居)は、大正9年から15年までの6年間、電力王といわれた福澤桃介と、日本での女優第一号といわれた川上貞奴が住んだ邸宅(事業パートナー)で、水力発電の事業の拠点でもあったようです。貞は桃介を助ける一方で川上絹布の経営にも携わっていて、川上絹布で織られた絹織物は、現在1階和館の押入にかい巻きや布団としても展示されています。

 旧邸は名城の北辺の高台で眺望も良く、和洋折衷のモダンで豪華な建物であり地名から「二葉御殿」と呼ばれていました。屋根の上にはサーチライトもあり、夜の庭を照らし中央線からも見えたと言われています。今はマンションに代わって南西の片隅に標識がそっと据えられているのみで、往年の面影はなく残念です。その後一部分は売却など紆余曲折を経て、平成17年2月8日(ふたばと語呂合わせ)、現在地に大正9年創建当時に模して復元され、登録有形文化財(和館)となっています。(この年は愛知万博の開催年です)
 見所は社交場として使われていた大広間で、円形のソファーは是非座って見て下さい。ステンドグラスは杉浦非水デザインのオリジナル「初夏」と「踊り子」が復元展示されています。別の所に「アルプス」、「もみじ」がありますので探してみてください。電力王の家らしく「大配電盤」や当時としては珍しい「呼び鈴」、オリジナルの照明器具などもありますので、ゆっくりご覧下さい。他にも新しい気づきや出会いがきっとあると思いますよ。

 徳川園は家康ゆかりの削ぎ入りの竹に松(雄松、雌松)と笹、そして梅結びで造られた門松が、「正月事始め12/13」に設置され迎春の準備はすでに整っていました。

 1年間、拙い記事にお付き合いくださりありがとうございました。皆さまどうぞお健やかに良い年をお迎えくださいますように。

【お知らせ】当会は12月27日(日)から1月4日(月)までお休みとなります。

 一際目立つオレンジの屋根  ステンドグラスとコラボ
 玄関にそっと添えられて    人待ち顔のツリー
ステンドグラス(アルプス)  花魁の衣装とポスター
    網代天井と照明    徳川園黒門(門松)    

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