名古屋で最初に咲くと言われるオオカンザクラが咲き始め、差し込む日差しにも春の足音を感じます。間もなく二葉館周辺は豪華な桜で溢れることでしょう。
去る2月8日「ふたばの日」、文化のみち二葉館開館15周年(創建100周年)を記念して、お正月や晴れの日に舞われる「獅子舞」「吉祥歌舞音曲」の披露や「記念講演」が、盛大に催されました。今回が初お目見えの「貞奴のお琴」や、生涯の着物の展示に貞奴の生活、趣味を想像できる貴重な場となりました。
3月3日までは貞奴の愛した趣のある雛人形が展示されています。優雅な世界に入り、目の保養をなさってみて下さい。
獅子舞は大自然の霊力を我々に授けてくれる不思議な芸能で、幸せを招くとして古くから伝えられているものです。獅子に頭を噛まれると邪気を食べてくれる「厄除」になるとか「噛みつく→神が付く」など諸説あるようですが、開館前の行列に獅子が登場し、皆さん進んで頭を出し噛まれた後の笑顔が素敵でした。
館内では、獅子舞、吉祥歌舞音曲、踊りなどの伝統芸能が華やかに披露され、大広間から二階に続く螺旋階段はぎっしりの人垣となるほど盛況でした。
記念講演は講演者(神津カンナ)の巧みな話術に引き込まれ、聞き逃すまいと張り詰めた空気、ホッと一息の笑いありと緩急を取り入れた話し方は流石と感心しました。「世の中に一つの無駄もない」と聞いたことがありますが、気づきと学びの大切さをそれぞれに実感できたのではないでしょうか。
自筆の羽織や帯には「わあ!すごいね」「これって?自筆ですか」と感嘆の声が聞かれましたし、着物や展示品の観賞では、じっくり腰を据え熱心に見入っている人の多さにびっくりしました。また寄贈された「貞奴の琴」や当時設えられていたという「避雷針」など、多岐に亘る展示に大正時代を垣間見られ、同時に貞奴さんの知られざるお人柄を知る事もできたのではないでしょうか。
明るい陽光、柔らかな風に誘われながら、咲き始めた桜を小鳥たちが食餌する姿はなんとも可愛いものです。寒緋桜はまだ蕾ですが、時にはゆったり、まったり春風と遊んでみてはいかがでしょうか。
早朝から列をなして・・ | 咲き始めたオオカンザクラ |
御利益は!? | 厳かに獅子舞披露 |
軽妙な語りはさすが・・ | 館内は熱気に溢れて |
手描きの羽織と琴 | 貞奴の生活を垣間見て・・ |
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