「うつくしや 年暮れきりし 夜の空(小林一茶)」
12月13日は「正月事始め」でした。この日は、「鬼宿日」に当たることから歳神様を迎えるのに相応しい日とされ、定着されてきたそうです。由来は江戸時代の暦によるのだと言われています。テレビで神社や寺院などでも煤払いが行われる様子が放映されていました。
徳川園では毎年この日に、徳川家康ゆかりの門松が黒門に設らえられ、新年を迎える準備が始まります。ここに飾られる竹は削ぎの入った一本です。家康が唯一敗北した武田信玄に対して「次は斬るぞ」という想いが込められたものです。ちなみに名古屋城でも同じ門松が正門に設らえられています。松は左側に雄松(硬い)、右側に雌松(柔らかい)ですので、そっと触ってみると分かりますよ。これは作業する方から教えていただきました。そして梅は″梅結び″です。粋な工夫の跡に感激しました。慌ただしい師走ですが、時には立ち止まってじっくり対峙してみてはいかがでしょう!そして茶室には結び柳(園内の六角柳)が飾られ新年の準備は調えられています。
佐助邸の準備も調いましたよ。毎年、佐助さんのご子孫の方から青竹をいただき、床の間に正月のお花が生けられます。当時の佐助さんもこのように準備をしていたのでしょうね。和室の静寂さと相まって、ピンと背筋が伸びますね。嬉しい交流が今も続いています。貴重な伝統物や意匠が大切にして保存されていくことを願っています。
「歩こう文化のみち」では佐助さんの日常使用されていた品々も展示されました。祖母の家にありましたと懐かしむ人、新たに当時を想像される方と、古き佳き時代に思いを馳せているのが印象に残りました。
今年は新企画「東区の魅力発見ツアー」二葉館周辺を深掘りしました。参加者は当時居住していたガイドの説明に、ハラハラ・ドキドキしながらも中身の濃い内容に納得顔でした。
今年は暑さに振り回されましたね。やっと穏やかな秋に会えたかなと喜んだのも束の間?あっというまに年の瀬になっていた、そんな感じです。皆様の一年はいかがでしたでしょうか。今年の漢字は「熊」でしたが皆さんはどんな漢字で締め括られるでしょうか。
来る年が、平和で平穏な年であるように願っています。
本年もお読みいただきありがとうございました。お健やかに良いお年をお迎えくださいますようにお祈りしています。
佐助邸は12月29日(月)から1月3日(土)まで休館となります。よろしくお願いいたします。








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