徳川園山車揃え「筒井町天王祭、出来町天王祭」

 「涼風の 曲がりくねって きたりけり (小林一茶)」 

 去る、6月3日、4日(土、日)、4年ぶりに初夏の風物詩「徳川園山車揃え」が戻ってきました。
 大勢の方々が待ち望んでいたのでしょう!「開催されて良かったね」の声が、あちこちから聞かれ会場は熱気に包まれ、躍動する雰囲気がひしひしと伝わってきました。山車の進んだ後には、満足感溢れた様子や心意気が漂っていました。
 巧みな方向転換を行いながら、5輌の山車が整列する様は圧巻でした。その度に「おぉ~」の歓声と大きな拍手の応援が沸き起こりました。

 天王祭は、もともと牛頭天王(ごずてんのう)を祭ることで、疫病を鎮めようとする天王信仰の祭礼です。東区では毎年6月の第1土曜日、日曜日の例祭日に行われ、筒井町天王祭には「神皇車、湯取車」の2輌が、出来町天王祭には「鹿子神車(かしかじんしゃ)、河水車、王義之車」の3輌が各町内を曳航されます。この祭は江戸時代から行われ、町内の方々がずっと継承されているそうです。お囃子や曳航にも、多くの子どもたちも参加し強力なメンバーとして頑張る姿は微笑ましく和気藹々と山車は引きまわされていきます。

 やはりなんといっても見せ場は、曲げ場で一糸乱れぬ「あ・うん」の呼吸での方向転換や一人で山車を持ち上げる「力持ち」は迫力があり、応援にも一層力が入ります。また、電線への安全対策も必須で、山車の屋根を下げる人、電線を持ち上げて山車をスムーズに通過させる法被姿の若者の息もぴったり、さすがの連携プレイはお見事です。見えないところでの呼吸を合わせながらの曳航を垣間見た時には感動しました。
 家の前で待ち受ける人や一緒に歩きながら楽しむ人、写真を撮る人と参加の方法はさまざまでしたが、皆さん4年ぶりのお祭りを満喫されているようでした。

 コロナ禍で、家に閉じこもりがちであった皆さんの待ち焦がれた思いが、会場を埋め尽くす大勢の方達から読み取れました。期待に胸を膨らませて、早朝に岐阜からいらした方は携帯用の椅子を持参しスタンバイは万全でしたし、県内からの方は「やっと見られて楽しみだ」とにっこりされていました。時間を追うごとに会場は人・人・人で埋め尽くされていきました。

 五輌が勢揃いし、徳川美術館前では山車ごとに「カラクリ」が奉納されますが、最高潮に達する仕草には歓声が湧き上がっていました。また方向転換には各山車ともに気合いが入り、2周する強者揃いの山車もあり一帯は熱気に包まれていました。2輌が巧みにすれ違う場面の見事な曳航も見所ではなかったでしょうか。
 祭礼に、参加される人、見る人が一体となり晴れやかな笑顔が印象的な両日でした。

5輌の山車揃え
神皇車のからくり
西之切のからくり
中之切のからくり
曳航の様子
町内で協力して
方向転換は醍醐味
声援を力に「力持ち」

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