紅葉で有名な禅隆寺(飯田町36)ですが、今は境内が新緑に満ちあふれ、文字通り万緑の世界です。ご住職様の「今は新緑が綺麗ですよ!」の言葉に誘われて境内に入ると、そこは静寂の世界が広がっていました。薫風に揺れる木々のささやき、木漏れ日が庭に僅かな動きを演出し、思わず瞑想の世界へと引きずり込まれてしまいます。
本堂は合掌の形をした珍しい造りで、思わず手を合わせてしまいました。本尊は義直(尾張初代藩主)寄進の釈迦如来が祀られています。本堂前には、仏教の心構えを映すという枯山水の「山水菩薩庭園」が設えられ、その奥には創建当時の観音堂があり、「聖観音立像(樟の一木造)(注1)」が祀られています。新緑を背景にした建物、石造物などの一体感を心静かに味わってみるのはいかがでしょうか。
もう一ヵ寺、珍しいパゴダ(仏塔)風の様式で造られている大光寺(泉二丁目)をご紹介します。この寺、慶長の頃に清須から当地へ移転され、明治4年には第6義校となり、山吹小学校の前身となった所です。
境内には井上士朗の碑があり、一種独特の趣があります。碑には「山里の 月夜を運べ 庭の松」と刻まれています。江戸中期の俳人、井上士朗の邸宅は大光寺の寺域南にあったそうです。境内には、あじさいが多く植えられていましたので、これから咲き始めると、境内は華やかに彩られることでしょう。
趣の違う二寺ですが、日頃の喧騒から時には解き放たれ、心静かにご覧になってはいかがでしょう。
★井上士朗についてはこちらからもご覧いただけます。
創建当時の山門(禅隆寺) | 新緑に抱かれた本堂 |
山水菩薩庭園と観音堂 | 木漏れ日と語らい?? |
パゴダ風の本堂(大光寺) | 井上士朗碑 |
注1:禅隆寺は、紅葉の美しい秋には「寺院公開」されます(聖観音立像も見ることが出来ます)
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