「目には青葉 山ホトトギス・・・」と詠われるように、佐助邸も新緑の風が心地よく、小鳥のさえずりや、連子無双窓を通り抜けるそよ風が最高のおもてなし?・・です。薫風の中、縁側で静かに若葉と対話するのも乙なものですよ。
今回はそんな心地よい風を感じつつ、普段は目に留めることの少ない襖の取っ手などの、隠れた見どころを写真でご紹介したいと思います。
各部屋には、その部屋に合わせて設えられた襖絵と取っ手が、重厚な雰囲気を醸し出しています。豊田綱領(注1)の一つに「華美を戒め質実剛健たるべし」という文言がある如く、豪華絢爛ではありませんが、そこかしこに、その志が見え、佐助さんのお人柄が偲ばれると思います。
2階には、今では殆ど見られなくなった夏障子が嵌められています。当時は季節毎に生活をより快適に過ごすための工夫や知恵がいっぱいあったのです。四隅の小さな取り付け家具を見て、「あっ!蚊帳を吊るためですね」と気づかれる方はかなりの通です(年が分かるかも・・?)。冷暖房完備の現在では考えられない、穏やかな時の流れを佐助邸で実体験してみてはいかがでしょう。
ご案内している時、昔を懐かしく思い出される方、「えっ!」と驚かれる方と様々ですが、楽しい会話から新しい出会いやふれ合いの場になることもあります。輝く光の中、時には懐かしい時代へとタイムスリップしてみませんか。
【山も庭も 動き入るるや 夏座敷(芭蕉)】
★火・木・土の10時から15時30分まで常駐ガイドを行っております。お気軽にお声かけください。
前庭から和館 | 新緑と灯籠(前庭) | 満開のツツジ |
猫間障子から前庭 | 夏障子 | 洋館2階(中国黄山) |
取っ手(鶴) | 取っ手(鳳凰?) | 四角の取っ手 |
六角形(鶴) | 蝶と鳥 | 象嵌(蝶) |
注1:トヨタの経営の「核」として貫かれてきたのが「豊田綱領」です。
トヨタグループの創始者、豊田佐吉の考え方をまとめたものです。
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