花めぐり「名古屋朝顔まつり」

 「朝顔に つるべ取られて もらい水(加賀野千代女)」

 朝顔は日本で最も身近な植物として知られ、夏の風物詩になっています。上掲のこの句からは自然を思いやる心の美しさが読み取れ、ほっこりします。夏休みの小学生観察日記のイメージもあり、誰からも愛される優しい花です。
 去る7月26日~30日まで「名古屋朝顔まつり」が開催されていました。私もこの猛暑に脅え出遅れ、最終日にやっと出かけてみました。

 ここの花は、名古屋発祥で100年の歴史のある「名古屋朝顔(名古屋式盆養づくり大輪朝顔)」という大きな花を咲かせます。蔓を伸ばさずに盆栽仕立てにするのだそうです。場所は名城公園の一角、フラワープラザで行われていました。開場と同時に待ち焦がれていた人々が、花の前に静かに進み観賞していました。丹精込め作られた盆栽の見事さに目を奪われ感動の連続でした。

 朝顔の由来は「朝に咲く美しい花」という意味で、「朝の容花(かおばな)と呼ばれていたことからだそうです。平安時代に薬として中国から伝わったのが最初と言われています。
  会場の周辺には今を盛りの花々が競って咲いていました。同じ朝顔でも、行燈仕立てや枝垂れ朝顔が爽やかな落ち着いた雰囲気を演出していました。周辺に目を移すと花々が綺麗に植樹され見事な夏の花模様を描いています。特に大きな花を咲かせていた“タイタンビカス”で、アメリカフヨウとモミジアオイの交配種だそうです。

 モミジアオイは、「文化のみち二葉館」のステンドグラスにも描かれています。真っ赤な花で、葉がもみじに似ていることから名付けられ、「貞奴さん」の好きな花だと言われています。今は最盛期で名古屋市内でも真っ赤な花が垣根越しや公園で綺麗に咲いています。このような不思議な繋がりを知りびっくりしました。こんな自然との出会い結び付きは、大変ワクワクしますが、皆さんはいかがでしょうか。

 名城公園に目を移すと、せせらぎの流れる芝生広場やオランダの風車、花の山がひと時ののどかな一角を作っています。暑さを凌ぎ、緑陰で一休みしてゆったり時間を過ごす人たちもいました。御深井池では、ハスの花が今を盛りと咲き競っています。
 
 昨今は猛暑日と連日叫ばれ、不要不急の外出は避けるよう注意喚起もされています。「朝顔まつり」は終了しましたが、周辺の花々はまだまだ穏やかな日常を演出してくれることでしょう。十分な対策をして心身のリフレッシュをしてみませんか。思いがけない出会いが待っているかも知れませんよ。

 今回朝顔は写真のご紹介でしたが、来年は(鬼が笑う?)是非実際に観て感動を味わってください。時には自然との対話もいいものですよ。多岐にわたる出会い・ふれあい・学び合いを・・・・。

名古屋朝顔展示作品
朝顔色々
枝垂れ朝顔は涼やかに
丹精込めた作品
緑陰と風車
タイタンピカス(後ろに見える花)
花壇を華やかに
御深井池で咲くスイレン

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