名古屋陶磁器会館「陶磁器マスク展」

 「百日を 白さるすべり 保し得んや(中村草田男)」

 暑さが和らぐという処暑を過ぎ、時折夏の終わりを感じさせる涼しい風が吹き始めました。秋の七草ススキやオミナエシが公園などでもみられるようになってきました。秋の風を感じながら散策に出掛けてみました。

 名古屋陶磁器会館(徳川1)の「陶磁器マスク展~仮面舞踏会~」のマスクの鮮やかさや戯けたピエロ、愛くるしい動物の表情に惹かれ覗いてみました。

 通常の常設展示に加え、ありました・・ありました・・空気が一変したような華やかなマスクたちが勢揃いしていました。いつもの落ち着いた展示との違いに、ちょっと圧倒されましたが、気を取り直してじっくり鑑賞しました。ふと気づけば3周も回っていました。

「あれ!さっき見たのとどこが違うのかな?」と見返してみたり、これの意味はなんなのかなと鑑賞に浸ってみたり、思わず笑みが溢れる作品であったり、どんな仮面舞踏会が開かれたのだろうかと思いを馳せてみたりと、空想の世界に迷い込んでしまいました。館の方に伺ったところ、「瀬戸ノベルティーの一つで、大変珍しく日本ではほとんど見ることができないが、今回はコレクターさんのご厚意で150点以上を展示している」と教えていただきました。

 常設展示や昔の道具に思いを馳せ、陶磁器の歴史を振り返る有意義な時となりました。久しぶりに心踊る瞬間を体感しました。皆さんも時を忘れ“それぞれの仮面舞踏会”を楽しんでみませんか。

 “秋”といえば芸術の秋、読書の秋、食欲の秋・・様々ありますが皆さんはどんな秋がお好きですか?

「みんな違ってみんないい」今年の秋を満喫する一つになるかも知れませんよ。ゆく季節と訪れる季節を楽しみながらの散策はいかがでしょうか。展示は9月8日(金)までです。詳細は会館HPをご覧ください。

 名古屋陶磁器会館は、昭和7年名古屋陶磁器貿易商工協同組合事務所として井本為三郎等により開設され、昭和24年財団法人名古屋陶磁器会館として設立されました。設計者は名古屋工業大学教授「鷹栖一英氏」で、鉄筋3階建て、外壁はスクラッチタイルの落ち着いた雰囲気で、陶磁器会館のイメージにピッタリだと思います。

 井本為三郎は陶磁器輸出の先駆者として業界をリードし、名古屋近代陶磁器産業への発展に貢献しました。井本為三郎邸は文化のみち橦木館(橦木町2)として、今も大正当時を偲ぶことができます。

 陶磁器会館から昔の絵付け長屋を通り、町並み保存地区にある橦木館、主税町公園にある陶磁器産業の銘板を巡ってみるのも楽しいかと思いますよ。
 皆様のご要望に合わせたガイドも行っております。ご希望の方は「ガイド」からお進みください。お待ちしています

名古屋陶磁器会館
マスクがずらりと
可愛いマスク・・
個性的なマスク・・
表情豊かに絵付けされて
戦前の絵付け
装飾されたミニカップ
ほっと和むランプ

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