園内の木々も日ごとに見事な秋色に装いを変え、それぞれが独自のグラデーションで来邸者の目を楽しませてくれています。それに合わせ、来る20日からは「錦を纆う(まとう)徳川園紅葉祭(注1)」が始まります。
ボタン園では寒牡丹が数輪咲き始めました。その辺りは華麗な佇まいと気品に、思わず足を止める人、カメラを取り出す人、花の話題で会話の弾む人・・と、いつの間にか人だかりが出来ています。
瑞龍亭周辺では、モミジとサザンカが美を競っていますし、茶室の床柱にも使われているツバキが早くも咲き始め、目を楽しませてくれます。龍仙湖を渡る風がさざ波の文様を描き、ロッカクヤナギは、湖面をバックに美しく映り込んでいます。
里山周辺では、足元一面に十両(ヤブコウジ)が赤い実を付け、キチジョウソウが楚々と薄紫の花を咲かせています。この吉祥草、花が咲くことが少なく、稀に咲くと「吉事」があるとの言い伝えから名付けられたようです。生い茂った葉に隠れて、かき分けないと見つけ辛いことも希少価値の一因であるかもしれません。花の少なくなってきた昨今、時にはそんな足元の草花もお楽しみ下さい。良い話題の少ないこの頃ですが、思いがけず吉報が舞い込んでくるかも知れませんよ。
注1:詳細はこちらからどうぞ
カンボタン | サザンカ |
モミジとサザンカ | キチジョウソウ |
マユミの実 | ハクサンボク |
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