第4回は、6月16日(水)、「後世に伝えるために、歴史的建造物を守る〜維持の難しさと保存の大切さを考える〜」のテーマで大西一郎氏が講演されました。
- 東区の町並み保存地区の変遷について(例)
*保存に急を要する「重要建造物」→:春田文化住宅 :豊田佐助邸
*保存に努める唯一の「個人住宅」→:桜井邸
*消滅又は一部現存建造物
:桜明荘→7階建て億ションに:加藤邸→4階建て億ションに(一部は住居)
:鳥屋筋の長屋→10軒中5軒が解体 :蔭涼寺(鶏薬師)→本年4月撤去
:春田邸→賃貸と一部公開
* 行政が取得し公開している建物→二葉館、橦木館、主税町長屋門
- 「町並み保存」・「町並み利用」の難しさ
名古屋には四つ【①有松②四間道③小田井④東区】の保存地区があるが、もっとも問題の多いのは「東区、町並み保存地区」である。
* 保存への緊急性をどうするか
:保存運動のための活動が必要だが片手間では難しい
:地元の人たちからの意見もいろいろ出されている
:地付きの人とマンション族との意識の違いの解決方法は?
など課題も多いが、保存の重要性を訴えられました。
- 東区の三代コレクション
①木村定三コレクション②尾崎久彌コレクション③東区実業家コレクション
* コレクターの展示方法は二通りある
:自分のミュージアムで展示する
:寄贈や預託する
東区は近代文化の発祥の地であることなどについて例示しながら丁寧な説明がされました。