町なみ保存地区3{主税町}

 以前、主税町筋にある朝日文左衛門の銘板(注1)をご紹介しましたが、今回は、国道41号線から東(杉村老松線→桜並木)へ向かって歩いてみました。
 私たちがガイドをする際、しばしば「主税町(ちからまち)」の読みを尋ねられますが、「税務署があるから?」と“税”繋がりの連想をされる方が多いように思います。真相は、由緒ある方のお名前からなのです。この辺り、江戸時代中級武士の御屋敷があった場所で、義直に仕えて勘定奉行となった「野呂瀬主税(のろせちから)」が当地に屋敷を構えたことから、その名が町名の起源になっているそうです。その場所には、現在カトリック主税町教会があります。この教会は明治20年に建てられた名古屋で最初のカトリック教会で、明治33年建設の礼拝堂は野呂瀬家の長屋が利用され、その当時は畳敷きであったということです。この地方の中心的教会の役割を果たしていましたが、現在は「主税町記念聖堂」が正式名称となりました。

 梅雨空を見上げて、皆様お気づきでしょうか?主税町筋には電線が1本もありません。ちょっと鬱陶しい電線が見えないのです!“何かゆったり感じていました”と述べておられたのが実感ではないでしょうか。現在、電線の代わりに優しい街灯が林立しており、幻想的なガス灯が思い浮かぶようです。
 電線の埋設は、町並み保存地区に指定され進められているのですが、タイムスリップしたように感じ、非常に新鮮に思ったのは私だけではないでしょう。この地には、佐助邸を始めとする貴重な歴史的建造物が残されています。最近は近代的な建物が建造され、足元には歩行者に優しいコミュニティ道路(注2)も造られ、モザイク模様に寄り添って可愛らしい草花(今はジャノヒゲ)も植えられています。そんな“昔といま”が混在する不思議な空間を作り出しているのが主税町です。少し目線をかえて散策すると、思いがけない出会いが待っているかも知れませんよ。
☆当会では皆様のご要望に合わせた依頼ガイドも行っております。「ガイド」からお進み下さい。

@CIMG5090街灯アップ @CIMG5122春田邸から東
佐助邸から西へ  街灯も一役 
@CIMG5111教会から東 CIMG5123教会から西を 
静寂の町並み?!  コミュニティ道路 
@CIMG8644教会縮 @CIMG5118花
教会ガイドの様子  古民家の路地で 楚々と

注1:こちらからご覧いただけます。
注2:歩行者に優しい道路(住宅地の道路整備の手法の一つで、車道をジグザクにしたことでできた歩道空間に植樹や花壇を造るなど空間を有効利用)

東区文化のみち ガイドボランティアの会

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