去る6月2、3 、4 日に東区筒井町、出来町一帯で天王祭が開催されました。清々しい絶好の祭り日和に、賑やかな祭囃子や、豪快な方向転換など活気溢れる町がそこにはありました。名古屋東照宮祭と関係しているとの情報を得、興味津々で筒井町天王祭「湯取車(ゆとりぐるま)」の曳行に密着してみました。

   この山車は、東照宮祭礼車として桑名町(現、中区丸の内2)が万治元年(1658)に新造し、幾度かの改造を経て天保2年(1831)に情妙寺前(現、筒井町四丁目あたり)が譲りうけたものだそうです。東照宮祭には9輌の名物山車があったそうですが、昭和20年の戦災により全て焼失してしまいました。筒井町の湯取車は、東照宮祭の歴史を担う現存する唯一の山車で、初めて屋根がついた山車だそうです。

 人形は屋台に大将人形(安倍晴明)、巫女人形、太鼓打ち人形、笛吹き人形(鼻こすり)が乗り、湯気を象徴として「湯の花」と呼ばれる白紙の細片が釜から吹き上がる場面は見応えがあります。「湯取車」の謂れは神子(みこ)が湯取神事を行うからくり人形を乗せているのでその名があり、別名「神子車」とも呼ばれたそうです。

 水引幕は昼と宵で異なり、昼には大幕の「猩猩緋・緑・紺」の縱継幕と雲竜の刺繍をあしらった水引幕、宵には大幕の「猩々緋」と水引幕の「麒麟・鳳凰・亀」を用いられています。この水引幕に注がれた情熱・技量だけでも、じっくり観賞するのに値すると思います。

 山車曳行は、揃いの袢纏、子供の浴衣姿が一層華やかさを演出しています。出会いやからくり人形の舞、山車の見事な方向転換やドンデンが行われる度に、大きな歓声が沸き起こっていました。
 夜間曳行では、堤燈が多く取り付けられ幽玄の世界へと誘ってくれます。「湯取車」と「神皇車」の二輛曳行や、仄明かりの中でのからくり人形の舞は、一味違った趣を醸し出していました。

 圧巻は楽日行われた徳川園での5輛の山車揃えでしょう。また、10月には「名古屋まつり」の一環で繰り広げられる山車揃えがあります。江戸時代を彷彿とさせる光景は、見応えも十分ですよ!(参考文献:名古屋の文化財、市山車報告書、名古屋祭。湯取車HP参照)

    町内曳行      屋根神様 
    水引幕 雲竜       水引幕
  湯取神事 からくり   徳川園 山車揃え
   筒井町 2輛曳行   見所・・方向転換