美術館探訪2『徳川美術館「花咲(わら)い、風の吹くらん」』

 小満(5/21)も過ぎ、青葉、若葉が美しくなり目に優しい季節になりました。街路樹と薫風に誘われて特別展の題名に惹かれ徳川美術館に行ってきました。

 「花咲い、風の吹くらん」の如く、自然の美しさに心を寄せてきた人々の心情も知りたくて、ワクワクしながらの鑑賞となりました。じっくりゆっくり眺め、目の保養をしつつ、十分癒される至福の時が流れました。

 同時開催の企画展「浮世絵の人と顔 ヒト ひと 人」は、馴染みのある歌川広重の東海道五十三次では、つい郷土周辺の画材に目が留まります。しかし思わぬ発見もあって足を留め写真をパチリ、とても得した気分になりました。珍しく写真撮影が許可されている画材もあって見る楽しみが増えました。もちろん撮影禁止もあります。ルールに従ってじっくり読み込んだり、眺めたり、撮影したりと、ちょっと忙しさも味わいましたが、満たされる時間を得た喜びは格別でした。

 特別展は、各展示に「花、咲う」・「雨、降る」・「星、光る」…などセクション毎にぴったりの標題が付けられ「ふむふむ・・なるほど」と、とても見やすい構成でゆっくり鑑賞しました。花鳥風月を想像しながら屏風、掛け軸、着物、茶壷、茶碗など興味津々で行きつ戻りつの、いつもにはない不思議な時間を持てました。特に興味深く見た画材は「牡丹図屏風」の左右隻の穏やかな牡丹と風に吹かれる牡丹の対比です。田中訥言の「竹林残月図屏風」は初めて見ましたが、数回見ている百花百草図屏風とは明暗が分かれ、落ち着いた筆致にちょっと驚きました。「月、照る」にぴったりの幻想的な画も素敵で、見入ってしまいました。「秋草そよぎ、紅葉染まる」の着物・秋野の蒔絵手箱、小薩摩茶壺、宗春の「五字一行書」などなど・・ワクワク、ドキドキの連続でした。楽しい穏やかな時間が過ぎていきました。(この展示は6/2(日)までの開催です)

 感動に浸りながら、徳川園周辺を散策しました。徳川園内は菖蒲が咲き始め5/25(土)から6/9(日)開催の「雨を聴く 徳川園の和傘」が始まります。現在は早生の花々が彩りを添え始めました。今後は日毎に華やかさを増し、菖蒲田は花盛りとなることでしょう。(詳細は徳川園インスタグラム、Facebookでも近況がご覧いただけます)

 徳川園外西側にある塀には可愛いテイカカズラがそっと咲いていますよ。見つけてくださいね。児童公園脇では、紫瀾や黄菖蒲、菖蒲が風に揺れ道ゆく人に語りかけています。紫陽花もだいぶ色づき始めました、これからが楽しみですね。子どもたちの元気な声の応援を受けて?頑張っています。甲高い明るい声には活力をいただけますね。

 静かに流れる日常・・・ゆったりまったり美術鑑賞と散策を楽しんでみませんか。

牡丹図屏風右隻 穏やかに
風に吹かれて咲く牡丹(左隻)
キクとススキ(手箱)
葛飾北斎(鳴海)
テイカカズラ(甘い香り)
公園脇で風に揺れて
菖蒲田(昨年の様子)
道ゆく人に語りかけて

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