徳川園のこのごろ

 紺碧の空は澄みわたり、さざ波のように浮かぶ雲に誘われて徳川園とその周辺を散策しました。
 黒門を潜ると、通常は4月に咲くはずの東海桜が早くも花をつけ、青空をバックに見事な風景画になっています。一瞬「今の時期は?」と不思議な世界へ引きずり込まれてしまいましたが、可愛いピンクの花に何故か癒されます。今年の異常な気象の変化に桜も戸惑っているのでしょうね。
 園内「茶室」には「シュウメイギク」が活けられ、ここではしっかり秋を演出しています。時には自然の営みに任せて季節を楽しんでみませんか。

 秋本番の園内では龍門橋の脇で色づく、コムラサキシキブの可愛い紫の実が来園者の目にとまり、「何という花ですか?」の問いも多く、撮影ポイントにもなっています。いつの間にか人だかりが出来て、花談義が繰り広げられています。
 里山では雲がゆったり流れ、見上げる人の心も解放されているようです。水琴窟を心静かに聞く人、四睡庵で一休みする人、周りで咲く「タマスダレ」や色づき始めた「シロマユミ」の実を観賞する人と、それぞれの秋を満喫している様子にほっこりします。
 里山を彩っていた「スイフヨウ」はそろそろ終わりに近づいていますが、もう少しの間は楽しめそうですよ。一日花で、朝は白、時間と共にピンク色に変わり、夕方紅色へと変化するお花です。その様子が、お酒を飲んで顔が赤くなる様子に似ていることから「酔」の字が使われているのです。(本来はアントシアニンの合成によるものです)朝と昼と夕刻の変化を楽しんでください。“まったり”時間と色の変化を味わって見るのは如何でしょうか。

 大曽根の瀧では豪快な水音に“マイナスイオン”をいただき、龍仙湖へと歩を進めると石垣に生した苔が時の流れを感じさせてくれます。
 龍仙湖脇ではロッカクヤナギが“ゆらりゆらり”と舞い、人々を誘ってくれます。どこからともなく「キンモクセイ」のほのかな香りが漂い、ここでも嗅覚と視覚を満足させてくれます。
 湖面を渡る風と鯉との競演、木々の中から聞こえる小鳥たちの合唱に、静かな秋を満喫してください。

当会では金曜日13時から15時30分(受付は15時)に園内ガイドを行なっております。

  空とサクラのコラボ   酔芙蓉(スイフヨウ)
  色づき始めたモミジ   ほのかな香りが・・・
      人を引き寄せて     シモバシラ
   秋の七草ハギ    黄色の絨毯?!

 

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