万葉集に、秋の七草を詠った「秋の野に 咲きたる花を 指(および)折り かき数ふれば 七種(ななくさ)の花。萩の花、尾花、葛花、撫子の花、女郎花(おみなえし)また藤袴、朝貌(がお)の花。注1」(山上憶良)の名歌があります。
ここ徳川園内でも秋が直ぐそこまで近づいてきています。間もなく秋本番・・爽やかな秋を探しに出かけてみませんか。
里山周辺では、今、ヤブランの群生が見頃を迎えていますし、四睡庵近くでは、スイフヨウ(酔芙蓉)が咲き始め、朝は白、昼は薄桃色から桃色に、夕方には紅色へと変化し、名の如くお酒に酔う風情、時間の経過とともに花の色を変えています。時には自然の見事さを観察してみてはいかがでしょう。
四睡庵では、静かに水琴窟の音色を楽しんでください。高い澄んだ金属音が、日常の煩雑さを忘れさせてくれますよ。
一方、大曽根の瀧の音は躍動感と逞しさを教えてくれ、マイナスイオンが溢れているようです。足元をサラサラ流れる川沿いでは、ミソハギ、オミナエシ、ワレモコウ、さらにはキキョウやツユクサなどの可憐な花が、今を盛りと咲き競っています。普段では気づかずに通り過ぎてしまいがちですが、この園の中では小さな秋を見つけてくださいね。
瑞龍亭内露地周辺にはハギやススキが秋を告げ始めました。鹿威しも澄んだ音で瑞龍亭へと誘ってくれます。ここ瑞龍亭で、初秋の空気を存分に吸い込んで、待ち望んだ一時を味わってみて下さい。
中秋の名月(10/4)には夜間開園もあります。詳細はこちらからどうぞ
☆当会では毎週金曜日13時から15時30分(受付は15時)までガイドを行っております。お気軽にお声かけください。
澄んだ音色の水琴窟 | 楚々と咲くタマスダレ |
雨にも負けず(酔芙蓉) | 秋草(ミソハギ) |
秋の七草(ハギ) | 秋の七草(オミナエシ) |
注1:秋に花の咲く草の中から代表的なものを7種選んだもの。このアサガオは今のアサガオという説と,ムクゲ,キキョウ,またはヒルガオと諸説あるが、一般的にはキキョウを指すのが有力。覚え方は「ハスキ(ー)なおふく(ろ)」「オスキナフクハ」など語呂合わせで覚えると忘れないかも。
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