徳川園のこのごろ

 「啓蟄や 日はふりそそぐ 矢の如く(高浜虚子)」

  3月5日は二十四節気の啓蟄でした。春分の一つ手前の節気で、暦の上では春到来の直前といえます。

 徳川園は春暖を感じて顔を出した虫たち・・小鳥がそっと咥えて飛び立っていく様子は、優しい春の到来を感じさせます。そして里山では、まず咲くからと言われるマンサクやサンシュユ、紅梅や杏が華やかさを増し長閑な“春”を演出しています。椿の淡侘助や白芯卜半(ハクシンボクハン)、天が下などが楚々と咲いていますから見つけてくださいね。

 大曽根の瀧は、豪快な瀧音が一服の清涼剤と感じ写真を撮る人、じっと見入る人とそれぞれの楽しみ方を満喫されています。近くでは、珍しい樒(シキミ)の花が散策路脇に咲いています。清新な水音を聞きながら、ゆったりまったり散策を楽しんではいかがでしょうか

 虎の尾では富貴草(フッキソウ)やミヤマシキミ、トサミズキ、キブシが芽を吹き出しました。春の匂いが風に乗ってやってきます。

 龍泉湖はマガモや鯉が優雅な波紋を描きながら、和らいだ湖面を満喫しています。湖畔では六角柳や猫柳も芽吹き始め、賑やかになってきました。ワクワク、ドキドキ・・胸が高鳴りますね。運が良ければ翡翠(カワセミ)に会えるかもしれませんよ。流石にこれは小鳥のご機嫌次第かな?!陽光の温もりを頬に感じ、小鳥の囀りが「春近し」を伝えてくれています。

 牡丹園での冬牡丹まつりは終わりましたが、今は春ボタンが勢いよく芽吹きを始めましたよ。梅は豊後鶯宿、白加賀は満開を過ぎましたが、花吹雪の舞う姿は桜とは一味違う優雅さがあります。牡丹園内(藤棚の前)では、1本の“おかめ桜”が満開で、圧巻の姿ですよ。

 茶室近くでは大輪三又が満開で、なかなか見応えがあります。折から案内した方はとても気に入られ、四方八方から撮影され数分以上立ち止まって観賞されていました。このような観賞方法もあるのですね。この方は前回、紅葉がとても素敵でしたので、今日は春の花を案内して欲しいと要望がありました。

 案内も焦らず慌てずゆっくりと、途中から他の見学者も合流され、楽しく散策ご案内することができました。時にはゆったり、まったりも心の栄養になるのではないかなと思いました。

大輪三叉(ハート!?)
清楚な白芯卜半(里山)
まず咲くから万作
馬酔木
山茱萸(サンシュユ)
猫柳(春陽を浴びて)
沈丁花(甘い香りを漂わせて)
清新な龍門の瀧

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