梅雨に似合うアジサイが、紫、ピンク、青、白・・色とりどりの花が彩りを変え、人々の目を楽しませてくれます。原種は日本で「ガクアジサイ」と言われ、藍色が集まる「あづさい(集真藍)」から転じたともいわれています。

 佐助邸でも可愛いアジサイが庭の片隅から来邸者に微笑みかけています。大正ロマン漂う佐助邸ですが、住人が過ごした穏やかな日常を連想することもできますし、暑い夏に備えて夏障子や無双連子窓を巧みに使い、涼を取っていた様子なども見ていただけます。「懐かしいわ」「初めて見ました」と年齢層によって印象は様々ですが、時には喧騒を忘れて静かな時を過ごしてみてはいかがでしょうか。
 佐助邸では常駐ガイドを「火、木、土」10:00〜15:30に行っております。

 今、佐助邸の庭では、アジサイ、クチナシ、サツキ等の花や若葉が、のどかな日常を演出し小鳥や蝶などの来館にほっこりします。特に2階からの眺めは、優しい初夏のひと時を味わわせてくれることでしょう。

 屋内の意匠にも梅雨、そして暑い夏に向けての工夫が凝らされています。その昔は現在のような冷暖房は完備されていませんから、四季折々を快適に過ごす知恵が遺憾なく発揮されています。和館1階の廊下には無双連子窓が取り付けられ、換気を目的として使われていました。そこは今も大正、昭和が蘇り、匠の技が息づいています。必ず動かしてみたくなるようで、懐かしがる人、「わあ、すご〜い」と初めての体験に感動される人と、対応はそれぞれですが、今は見ることが少なくなった貴重な設えですので、大切に守り継承していきたいものです。

 2階和館のお座敷には「夏障子」が設えられています。これは夏の日差しを遮ると同時に通風を得るという、日本特有の気候に対する先人の知恵でしょうか。今はなかなか見ることができなくなった風情の一つです。
 この他、邸内には自然換気口が設えられています。これは豊田紡織機のマークで“とよだ”を縁起物の鶴亀で図案化したものです。邸内各所に見ることが出来ますよ。

 現在も佐助邸は当時のままを極力維持しています。頬を撫でる風と笑顔が何よりの“おもてなし”です。邸内を吹き抜ける風と香りを体感していただくのはいかがでしょうか。(木造建築用語辞典、当会資料等参照)

    夏障子(風通し)    無双連子窓(上部) 
   猫間障子から庭     廊下の換気口
   波形無双連子窓   ガス灯も使用され・・
    色鮮やかに    クチナシは可憐に