「長き身を 二つに折りて 茅の輪かな(吉見泰二)」
 早くも7月に入り、令和2年も折り返しとなりました。今回はお正月から6月までの半年の罪穢れを除き、無病息災を祈願するという「茅輪神事」を片山八幡神社で、体験させていただきました。
 片山八幡神社、創建は第26代継體天皇の5年(527)です。戦国時代に焼失したが、尾張二代藩主光友が再考、徳川家の氏神と思召され名古屋鬼門鎮護のお社として崇められ信仰されています。 
「茅輪神事」は、雨模様の中でしたが、例年通り去る6月30日に開催されました。今年はコロナ禍対策のため一部自粛、3密を避けて崇神事は神社の神職のみで、厳かに粛々と執り行われ見学していても身の引き締まる思いでした。

 「茅輪神事」は「茅輪くぐり」また「わくぐり」と呼ばれ「夏越しの祓(なごしのはらえ)です。茅の輪を、左、右、左と八の字を書くように3回まわって疫病退散・諸難削除・無病息災・健康長寿を祈ります。当日は崇神事の後、宮司様に続いて作法通り、コロナ禍の約束事も守り一定の距離を保ちお参りさせていただきました。

 この祭事、新年には年神様をお迎えする準備の大掃除、お迎えするための門松が飾られることはご存知の通りですが、夏にも水神様をお迎えするのだそうです。半年間の穢れを祓い清めるというもので、現在でもこの両日(12/31と6/30)に「大祓え」の神事が行われているのだそうです。神社の夏祭りや、海や川開きの花火大会は水神様の歓迎イベントだそうです。「あっ、そうなんだ」と、諸行事の真の意味を再確認しました。

 また、茅輪神事の起源は、善行をした蘇民将来(そみんしょうらい)の説話といわれています。神代の昔、素戔嗚尊(すさのおのみこと)から「もしも疫病が流行したら茅の輪を腰につけると免れる」といわれ、その通りにしたところ疫病から逃れられたということです。茅はよく伸びる、刃先が尖っているなどから邪気を祓う力と生命力を持っているといわれます。腰につけるものから、室町時代を経て江戸時代には民間や宮中でも地面に据え「くぐる」ということが行われるようになったようです。

「茅輪くぐり」とは、怖い疫病や風水害に怯える人々が素戔嗚尊に守ってもらうために身を清め一心に祈る神事なのでしょう?!コロナ禍の収束や自然災害の脅威からの回避に願いを込め、お祓いを受けさせていただきました。物事には貴重な伝承のあることを実感しました。(由緒書き、聞き書き、ひがし見聞録他)

  静寂の中で神事を待つ    茅輪が用意されて
     本殿前     粛々と厳かに
  宮司様を先頭にわくぐり   八の字を書くように 
     龍も一役?!   厳粛に神事を待つ人々