春の終わりを告げる穀雨{注1}の頃になりました。一斉に萌えだした新緑や、百花爛漫の花々が大自然の息吹と逞しさを感じさせてくれます。市民のオアシスとなっている久屋大通公園東側に位置する金刀比羅神社(泉1)に、このたび標識が新設されると聞き訪ねてみました。

 ビルの谷間の小さなお社ですが、狛犬や神馬が出迎えてくれ、神社独特の威厳を感じさせてくれます。大正14年には、現、中日新聞選定の名古屋の十名所であったという石碑もありました。因みに一番は熱田神宮、二番は名古屋城で八番に久屋金刀比羅神社とありました。当時は相当に有名な神社だったのでしょう。「ひさやのこんぴらさん」と呼ばれて親しまれていたそうです。 
注1:立夏の前日までをいう、今年は4月20日から5月4日

 今、桜通りの「ナンジャモンジャ(ヒトツバコダ)」は満開です。久屋大通公園の新緑に癒されながら進むと、リバーパークの一角に、金刀比羅神社の御神木、大イチョウの古木が聳え立っており何故かその根元には、かつて祭礼で飾られた台尻の礎石が置かれていました。神社は戦災に遭い、復興事業により50メートルほど東のビルの谷間に移転していますので、この辺りが境内であったようです。

 金刀比羅神社は瑠璃光寺(元全泉庵)の守護神として、清須越しでこの寺と共に移り、維新まで同寺に保護されていました。その後、廃仏毀釈で瑠璃光寺は廃寺となり、金刀比羅宮が「金刀比羅神社」として残り村社となったとか。御祭神「大物主命(おおものぬしのみこと)」は、五穀豊穣の祈願、航海や家内安全など、広く万物の主たる神として、今も多くの人の信仰を集めているようです。今回の訪問では、以前訪れた折にはなかった錨の銘板を発見しました。「錨」は海事「御祭神」を象徴する意匠として、再び祀ることにした(戦前の境内には設置)と書かれていた。また新たな学びをいただきました。

 昼休みを利用して参詣される方もおられ、人気の高さに納得しました。大黒様を摩ると御利益があると聞き、出会いを楽しみにしていましたが、その日は毎月10日とのことでした。そっと覗いてみると、とてもにこやかな笑顔が印象的でした。胎内大国さんのお席?(象の足のよう)もあって、これも毎月10日にはお座りになるようです。素敵な笑顔に出会いに出かけてみては如何でしょう。
(参考文献:ひがし見聞録、名古屋市史、東区史、名所図会、当会資料など)

 威厳を漂わせる金刀比羅神社     狛犬と神馬
    再び蘇って・・・    満面の笑顔の大黒様
  名古屋十名所石碑  ご神木のイチョウと台尻
  市民のオアシス・・・    桜通りを彩る花