徳川園のこのごろ「端午の節句・菖蒲の節句(軒菖蒲)」

  5月5日は五節句(注1)の一つ「端午の節句、菖蒲の節句」です。日本の四季を彩る代表的な伝承行事でもあり、大切に継承していきたいですね。長かったコロナ禍の種々の制約も緩和され、そこには明るく穏やかに自然が輝いています。心身ともに解放され自然と語らってみませんか。

 端午の節句は中国の故事が起源であると言われています。また、5月5日が端午の節句と呼ばれるようになったのは、旧暦において「端」は始めを意味し「端午」は月初めの午の日をさしていたことが起源と言われています。菖蒲は鎌倉時代以降には菖蒲が「尚武(しょうぶ)」と同じ読みであること、また菖蒲(真菖蒲)の葉の形が剣を連想させることから、日本固有の節句文化となって現代に受け継がれています。  

 因みに花菖蒲(あやめ科)とは別種(里芋科)で、菖蒲田の脇でひっそりと棍棒状の花穂を根元近くに付けていますよ。見つけてくださいね。
この葉と蓬(よもぎ)を束ねて「軒菖蒲」を作り(園の手作り)、冠木門(黒門改札横の通用門)に飾り、菖蒲と蓬の薬効と香りにより邪気を祓います。菖蒲湯にも使われるものです。

 鯉のぼりは、立身出世(龍門伝説)を願う意義が込められていますし、鎧や兜は「敵の攻撃から身を守る」ことから「災いから身を守る」という意味が込められているそうです。武家社会の風習を江戸時代に庶民が真似るようになり、五月人形を飾る風習になったといわれています。

徳川園では、伝統行事を大切にして、その季節を演出してくれています。小さな心遣いにも目を向けてみては如何でしょうか。
 茶室には5月人形が飾られ、龍仙湖畔では鯉のぼりが青空を思い切り勇壮に泳ぎ、風情を際立たせています。
 また、冠木門にこの「軒菖蒲」が5月3には飾られました。見るだけ?でも邪気祓いになるかもしれません・・。心の浄化になるといいですね。

 園内は初夏の花々が早くも咲き始めました。今は蓬左文庫前では芍薬が見頃ですし、園内ではテイカカズラ(虎仙橋脇のスダジーに共生)が咲き始め、睡蓮も色とりどりの色を見せ湖面を優雅に彩っています。アヤメも密やかに咲いていますから見つけて下さいね。

 5月27日(土)からは菖蒲まつりも開催されます。四季折々の庭園の散策を楽しみながら、時にはじっくり「日本の伝統」にも触れてみてはいかがでしょうか。

注1 ⓵1月7日:人日の節句(七草の節句)    ②3月3日:上巳の節句(桃の節句)
          ③5月5日:端午の節句(菖蒲の節句)    ④7月7日:七夕の節句(笹竹の節句)
          ⑤9月9日:重陽の節句(菊の節句)

冠木門に飾られた軒菖蒲
真菖蒲は園内から
真菖蒲の花は楚々と
青空を悠然と
あやめは見ごろ
水面でゆったりと
芍薬は蓬左文庫前
金魚椿(葉っぱを見てね)

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