徳川園のこのごろ「暮らしの中の文化」

 「蓮の香や 水をはなるる 茎二寸(与謝蕪村)」

 連日、今年の最高気温を報じています。梅雨明けは未だですよね!どうなっているのでしょうか?それでも暦は着実に時を刻んでいます。

 7月7日は五節句の一つ七夕で、日本では年中行事となっていますね。徳川園庭には、毎年恒例の近隣の幼稚園、保育園の園児の可愛い”ねがいごと”の短冊が飾られています。“そう~”と読んでみると、ほっと和む空間があります。また来園者の方々も、思い思いの願いを短冊に書いて笹に結んでいます。皆さんの願いが叶うといいですね。
七夕についてはこちらからもご覧いただけます。https://higashibgv.com/花情報/10769(徳川園のこのごろ検索)

 徳川園では今年度から茶室に「室礼(しつらい)」が飾られています。日本では、古来よりお正月、ひな祭り、端午の節句など様々な行事が伝えられていますが、七夕もその一つです。
 今回の飾り物は、鹿の巻筆(注1)、硯、短冊、五色の紙、糸枠、文鎮が飾られています。時には、長い歴史の中で育んできた「暮らしの中の文化」を紐解いてみるのはいかがでしょうか。それぞれの意味を吟味して観賞すると、意外な発見があるかも・・しれませんよ。

 徳川園は今、緑地保全地区の深緑、龍仙湖の青い波紋、カルガモの親子、湖面に咲く睡蓮、蓮の花など・・茶室からの眺めは絶景です。心地よく肌に触れる風を感じながら、時にはゆったり、まったり散策してみましょう。

 徳川園では6、7日(土・日)に「お~いお茶杯第65期王位戦の第1局」が催されています。日本庭園の穏やかな環境の中で、静かに時を刻みながらの対局は名古屋市民の待望の場です。瀬戸出身の藤井聡太さん贔屓になりがちですが、お互いに最善を尽くして指していただきたいですね。会場の近くでは黄色のハマボウが対局を応援するかのように青空に向かって咲いています。

 夏の涼を感じる先人の知恵として、文化のみちにある「旧豊田佐助邸」の2階和室(座敷)には、夏障子が嵌められています。独特の安らぎと寛ぎの空間が広がります。夏を涼しく過ごす先人の知恵が思い浮かばれます。来園された方からは「懐かしいわ」「おばあちゃんの家にあります」「ここで昼寝したいわ」などの声も聞かれ、昔談義に花の咲くこともあります。徳川園からメーグルバスで「文化のみち二葉館」下車、徒歩数分の場所に大正ロマンたっぷり?の邸宅があります。ぜひ体感してみてください。火・木・土の10:00~15:30は定時ガイドを行なっております。お気軽にお声かけください。
 
 注1:鹿の巻筆、鹿は春日大社の神の使いとされ、その毛を使い筆は作られています。上毛には五色に染められた毛を使用しています。

可愛い”ねがいごと”が・・
往時を偲ぶ室礼(七夕)
静寂の王位戦会場
ハマボウも応援
花言葉は「神聖」
水の上で咲く睡蓮
カルガモの親子
涼を演出 佐助邸の夏障子

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