徳川園のこのごろ「紅葉」

 「ちはやぶる 神代もきかず 竜田川 からくれなゐに 水くくるとは(在原業平)」

 徳川園の紅葉が見頃を迎えました。秋を一層楽しませてくれる紅葉・・永い酷暑で少しヤキモキさせられましたが、葉が綺麗に色づく環境が整ったようですね。とはいえ園では冬の風物詩「菰巻」と共演し風流を醸し出していますし、子福桜との共演も「す・て・き」です。心と体のリフレッシュにぜひお出かけください

 葉が綺麗に色づく条件は、⓵「昼間と夜の気温差が大きい」一般的に最低気温が8度以下の日が続くと色づき始め、5度以下で一気に進行すると言われています。

②「直射日光がよく当たる」お日様との関係で大曽根の滝周辺(山のゾーン)や、虎の尾付近は色づき始めですから見頃はもう少し先のようです。これも自然の贈り物と思えばまた嬉し・・ですね。「秋の日は釣瓶落とし」と言われるように日没は早く、4時過ぎには粋な計らいで“ライトアップ”されています。ちなみに曇り空にも対応され、風流で幻想的な世界へと誘ってくれます。

③「適度な湿度がある」ことだそうです。年によって色づきの違いがあるようですが、気象要素との密接なつながりがあるのですね。

 園内の西から東に向けて紅葉は進みますので、今の見頃は龍仙湖周辺です。気づいてみれば3条件にピッタリですね。真っ赤に紅葉したモミジ(カエデ?)や木々が湖面に映し出される「合わせ鏡」には見惚れてしまいます。12月はクリスマス・・師走となんとなく慌ただしいイメージですが、時にはゆったりと自然と対峙し堪能してみてはいかがでしょうか。湖面を優雅に泳ぐ鯉や鴨などとの語らいも素敵ですよ。龍仙湖畔は賑やかな声が響き、この時季らしい景色が広がっています。

 里山ではドウダンツツジの紅葉、マユミやサンシュユの赤い実が彩を添えていますし、小鳥の囀りが心に和みを伝えています。春の準備が始まったミツマタも芽吹き始め、梅などの春を告げる花々も陽光に照らされて時季を待っているようです。

 山のゾーンでは轟音を称える大曽根の滝も人気のスポットです。三段の滝での違いを堪能する人、滝壺?での豪快さを満喫する人と「みんな違って みんないい」ですね。どなたも穏やかな満足げなお顔が印象に残ります。日本人が紅葉を楽しむようになったのは、平安時代の貴族から始まったようですが、江戸時代からは庶民も楽しむようになったようです。海外からも大勢の人々がこれを目指して来日されているようですが、大切にしたい日本の四季ですね。

合わせ鏡
茶室からの眺め
風物詩菰巻
グラディションの妙
紅葉は心も癒してくれる
色づき始めた虎仙橋周辺
静かに咲くコブクザクラ
黒門と黄葉の共演

この記事が気に入ったら
いいねしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次