徳川園のこのごろ

明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

黒門の前には門松、しめ縄(注1)が飾られ、その圧倒的な存在感は流石と言わせるものがあります。徳川園の門松は、徳川家康が始めたといわれる「そぎ(注2)」の入った竹と笹、そして松(左右に雄松と雌松)、梅結び(注3)というシンプルなものですが、それでいて、思わず襟を正させるものがあります。
園内は、2日から「徳川園のお正月」が開催されましたので、お福分けをいただこうと出かけてみました。2日には福引きとお汁粉が振る舞われ、龍門の瀧では、新春の運試し「難関突破の沢渡り」が行われました。老若男女、とりわけ受験生が果敢に挑戦し、見事に渡り切ると、難関突破証明書が手渡され、周囲からは温かい拍手と歓声が上がりました。
3日には、新春万歳(尾張万歳 注4)が開催され、門付け、御殿万歳、獅子舞、そして今年は新作も披露され、会場は笑いの渦に包まれました。
また2日からは冬ボタンまつりも始まり、例年に無い穏やかな陽ざしの中、藁囲いに抱かれ花の王様は、気高く咲き誇っていました。「冬牡丹 千鳥よ 雪のほととぎす 蕪村(注5)」の一句を思い出しました。雪の中で見る牡丹も風情がありますが、遠からず寒波がやって来るのかも知れませんね。牡丹まつりは2月21日(日)まで開催されています。
この一年が、皆さまにとって幸せな一年となりますようお祈り申し上げます。
☆当会は、1月5日(火)からご案内を始めさせていただきます。皆さまのお越しをお待ちしております。

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荘厳に 梅結び 茶室も新春の装い
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気品を漂わせ 居並ぶ姿は・・ 難関突破証明書が・・
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尾張万歳 獅子舞 勢揃い

注1:注連縄また標縄とも書き、神事に神聖な場所と下界を区別すために張る縄。新年に悪気が入らないよう家の出入り口に張ったりする。万葉集に標縄の例が見られる(言語由来辞典)
注2:金城温古録によれば、家康が唯一敗北した三方ヶ原の戦いで、武田信玄に対して次は斬るという念が始まりといわれている。
注3:梅の花を縄で結んだもの
注4:尾張万歳は、長母寺の住職であった無住国師が、仏教を説いて万歳を作り、分かり易い言葉にして歌えるようにしたのが始まりといわれている。江戸時代から正月や祝い事の席で演じられてきた。当時の尾張徳川家大曽根邸内(現在の徳川園)で演じられたという記録もある
注5:その意味は「冬牡丹が咲き、遠くには千鳥の声も聞こえる。牡丹は本来夏の花であるから、あの千鳥の声も珍しい雪中のほととぎすに聞きなされることよ」

東区文化のみち ガイドボランティアの会

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